2019年6月2日で43歳となった元NBA選手のアール・ボイキンス。
『165cm』というNBA史上2番目に低い身長でかつてコートに立っていたボイキンスの姿は、多くの人の記憶に残っているはずです。
記録的低身長プレイヤーの中で最も成功したうちの一人であるボイキンスの現役時代を振り返ってみます。
身長165cmで成功をつかんだアール・ボイキンス
身長165cmともなると、一目で周りとのサイズの違いが丸わかりです。
Boykins made Iverson look big pic.twitter.com/eP6rrgxOGx
— Ballislife.com (@Ballislife) 2019年6月2日
アレン・アイバーソンをここまで巨大に見せることができるのはボイキンスだけでしょう。
そして229cmのヤオ・ミンと並んでいるのをみると、別の星の種族にすら思えてくる。
(2003) Happy birthday to Earl Boykins!
At 5’5″ and 133 pounds, his max bench press was reportedly 315 pounds! 💪 pic.twitter.com/RVeIWa39YB
— Timeless Sports (@timelesssports_) 2019年6月2日
アイザイア・トーマスをもう一回りスモールサイズにした感じ。
この選手がNBAでプレーしていただけでも凄いことですが、ボイキンスはチームの戦力として活躍していたのです。
NBAドラフトでは指名されず、キャリア初期にはわずかな出場時間の中でチームをわたりあるく苦労時代が続いていましたが、
徐々に抜群の得点能力が評価されはじめ、6年目の2003-04シーズンにはデンバー・ナゲッツで居場所をつかみます。
個人的にも、ボイキンスと言えばナゲッツの青いユニフォームを着ていた印象が強いです。
そこからは4シーズン連続で平均2ケタ得点を記録する活躍。
キャリアハイの平均得点は、2006-07シーズンに記録した14.6得点です。
守備ではほぼ確実にミスマッチになるものの、このハンデを覆すオフェンス力の高さを評価され、かつてはチームの主力として活躍しました。
田臥勇太とNBA入りを争ったこともあるアール・ボイキンス
身長173cmの田臥勇太がNBAに挑戦している頃には、田臥より低い身長ながらNBAで活躍するボイキンスが、日本のメディアで取り上げられることもありましたね。
2003年、田臥がデンバー・ナゲッツと契約を結び、プレシーズンに出場していた際には、ボイキンスも同チームに在籍していました。
同じポジションのライバルとして、控えPGの座を狙う関係でしたが、田臥はこのポジション争いに勝てず、開幕ロスターに名を連ねることはできず。
当時の密着番組で、自分より低身長のボイキンスの方が活躍していることについて聞かれた田臥が、「悔しいところですよね。とんでもない(選手)とも思わないし」というように答えていたのが印象的でしたね。
若いころの田臥は、クイックネスではボイキンスにも劣らなかったと思いますが、具体的にはシュートの決定力に差があったと思っています。
イタリアリーグではスター選手として活躍
キャリアを通してNBAでのプレーにこだわってきたボイキンスでしたが、2008-09シーズンの1季だけ、イタリアリーグと契約していたことがあります。
350万ドルでヴィルトゥス・ボローニャというチームに入団し、これはイタリアリーグ史上最高額での契約だったと。
イタリアでは、やはりボイキンスのクイックネスが際立ちますね。
このシーズンでは、チームトップの平均15.5得点を記録していました。
キャリア終了までにNBA10チームでプレーしたアール・ボイキンス
22歳でNBAデビューしたボイキンスは、引退した35歳までに、合計10つのNBAチームでプレーしました。
キャリアスタッツは立派なものです。
19.9分出場 8.9得点 1.3リバウンド 3.2アシスト FG41.7% 3P34.8 FT87.8% |
シュートを打つことさえ難しいサイズながら、FG4割超え&3P35%近くの確率を残せていたことが、ボイキンスがNBAで生き残れた理由でしょうね。
少ない出場時間の中でも効率的に得点をすることができて、5分間で15得点を稼ぐパフォーマンスを見せたこともあります。
ボイキンスと同じような体格を持ったNBAを志すプレイヤーにとっては、一つの指標となる存在であるはず。
小さなレジェンド・アールボイキンス
よく考えてみると、ボイキンスは167cmの富樫勇樹より身長が低いということですね。
冨樫がもしNBAで13シーズンプレーすることがあれば…と想像してみると、ボイキンスの偉大さがわかりやすくなるかも。
NBA史上2番目に低い、身長165cmのアール・ボイキンスの成功を回顧してみました。