ケビン・デュラント、ラッセル・ウエストブルック、ジェームス・ハーデンの3人は、おそらく全員が将来的に殿堂入りを果たすスーパースターたちです。
それぞれが選手としてのピークを迎えており、試合になれば何かをやらかすモンスター。
今では、この3人がかつて同じチームに所属していたことに現実味がありません。
オクラホマシティ・サンダーのかつてのBIG3
よく「あのチームにいたスーパースターたちが同じ時期にプレーしていれば最強だった」みたいな話がでてきます。
例えばレイカーズなら、マジック・コービー・レブロン・シャック・ジャバーを揃えてみたりだとか。
しかしサンダーの場合は、時系列のズレもなく、デュラント・ウエストブルック・ハーデンの3人が同じ期間にプレーしていたんですよね。
2009-10〜2011-12までの3シーズン
デュラント・ウエストブルック・ハーデンは3人とも現サンダーからドラフト指名を受けています。
ちなみに、デュラント&ウエストブルック指名時のチーム名はシアトル・スーパーソニックス。
デュラントは2007年2位指名
ウエストブルックは2008年4位指名
ハーデンは2009年3位指名
3年連続で、現サンダーのフロント陣は凄まじい先見の明を見せていたわけです。
2012 OKC Thunder Salaries (Millions)
Durant: $15.5
Perkins: $7.1
Westbrook: $5.1
Harden: $4.6
Nate Robinson: $4.5
Thabo: $3.3
Ibaka: $1.2
Reggie Jackson: $1.1 pic.twitter.com/iNf5SRh8su— Ballislife.com (@Ballislife) 2019年5月23日
当時からスーパースターだったケビン・デュラント
サンダー在籍時のハーデンは6thマンとしての役割を担い、当時のウエストブルックはデュラントに次ぐ2番手という印象。
一方のデュラントは、当時からリーグのスターとしての地位を確立していましたね。
3人が揃った初年である2009-10シーズンには史上最年少となる21歳での得点王に輝き、その後2シーズンでも連続受賞。
このBIG3が揃っていた3シーズン全てで、デュラントは得点王を受賞していました。
ちなみに、デュラントはシーズンMVPを獲得した2013-14シーズンにも得点王となっています。
4回の得点王は、現役選手としては最多の回数です。
年数を追うごとに異次元のレベルへと進化していったウエストブルックとハーデンに対し、デュラントはキャリア初期から無慈悲のスコアリングマシーンとして完成していました。
王者レイカーズに挑んだ若きサンダー3人衆
当時のサンダーの成長具合を示すには、レイカーズとの対戦模様を振り返るとわかりやすい気がします。
サンダーのBIG3が結成された2009年のNBAでは、各地で『BEAT LA』のコールが響き、レイカーズが王者として君臨していました。
2008-09シーズンに優勝したレイカーズは、翌09-10シーズンのプレーオフ1stラウンドでサンダーと対戦。
完全に格上の相手だったレイカーズに対し、若きサンダーは健闘をみせました。
この年で2連覇を成し遂げるレイカーズに対し、2勝4敗と善戦。
当時デュラントとウエストブルックが21歳、ハーデンが20歳という若さ。
このチームの未来が期待されるのは当然です。
そして2年後の2011-12シーズンのカンファレンスセミファイナルで、サンダーとレイカーズは再び顔合わせ。
この時にはサンダーがレイカーズを4勝1敗で圧倒。
コービー好きとしてはもどかしいシリーズですが、NBAの勢力図の書き換わりを示す、わかりやすい流れだと思いますね。
サンダーはこの年、NBAファイナルにまで駒を進めました。
この3人がその後も一緒のプレーを続けていれば、NBAチャンピオンにまでたどり着いていたのではないかと思います。
ロケッツ移籍後に大ブレイクを果たしたジェームス・ハーデン
ハーデンはOKCで過ごした3シーズンで、それぞれ平均9.9得点・12.2得点・16.8得点というスタッツ。
サンダーはハーデンの4年目の在籍を望んでいたとされますが、ハーデンはチームに対してMAX契約を要求したと。
これにより交渉が難航し、結果ハーデンはロケッツへ移籍することになりました。
ロケッツ移籍初年の2012-13シーズンからハーデンは大ブレイクを果たし、平均得点を前年の16.8点から一気に25.9点にまで引き上げました。
2018年と2019年の2年連続で得点王を受賞し、ハーデンは今やリーグ最強のアンストッパブルな選手に。
今季の平均36.1得点というのは、何度目にしても見慣れない凄い数字ですね…
おそらく、チームメイトにデュラントやウエストブルックレベルの選手がいたとなれば、これほどの個人成績を残すことはできなかったでしょう。
とは言え、これだけ圧倒的なオフェンス能力を身につけたハーデンと、デュラント&ウエストブルックのトリオを見てみたいのも事実。
ハーデンは2018年のインタビューで、当時の3人について
『It was the perfect puzzle(あれは完璧なパズルだった)』
と評しています。
デュラント・ウエストブルック・ハーデンの全員が得点王経験者に
この3人が得点王になった回数を見てみると。
デュラント:4回
ウエストブルック:2回
ハーデン:2回
これ、とんでもなくすごいことですよね。
得点王の回数ではデュラントに劣るウエストブルックとハーデンは、「アシスト王獲得」という実績でカバーしています。
2016-17シーズンには、31.6点を記録したウエストブルックが得点王、そして11.7本を記録したハーデンがアシスト王
翌17-18シーズンには、30.4点で今度はハーデンが得点王、代わって10.3本のウエストブルックがアシスト王
元3人衆のうち2人で、得点王とアシスト王を交代制で順番に受賞するという、もはや珍事レベルのシーズンパフォーマンスをみせました。
当時のOKC3人衆がいかに規格外のポテンシャルを秘めていたかがわかります。
元サンダー3人衆|デュラント・ウエストブルック・ハーデン
史上屈指の個人能力を持つ3人がかつて同じチームでプレーしていたというのは、今ではファタジーのような事実です。
3人が凄まじいパフォーマンスをすればするほど、この現実味の無さが増していきます。