2019年プレーオフでは、カンファレンスファイナルをスイープしたウォリアーズが5年連続のNBAファイナル出場を決めました。
2015年〜2019年まで、最後の舞台に辿り着いているというのはすごい記録です。
しかしレブロン・ジェームズという稀代の怪物は昨季まで、個人で8シーズン連続のNBAファイナル出場を果たしています。
レブロンのいないNBAファイナルには、もはや違和感があるほど。
NBAファイナル請負人・レブロンジェームズ
レブロンは22歳だった2006-07シーズンに、ほぼ独力でキャブズをNBAファイナルへと導きました。
これがレブロンにとって初めてのNBAファイナルの舞台。
その後キャブズは優勝候補の一角になりながらも3シーズン連続でNBAファイナル進出を逃すことになりますが、
マイアミ・ヒート移籍を機に、レブロンの『NBAファイナル劇場』が開幕。
2010-11〜2017-18シーズンまで、レブロンは毎年優勝決定戦の舞台にまで登り詰めていました。
レブロンのNBAファイナルでのスタッツ
過去8年分のレブロンのNBAファイナルでのスタッツを見てみます。
シーズン | 在籍チーム | スタッツ | 結果 |
2011年 | ヒート | 17.8得点 7.2リバウンド 6.8アシスト 1.7スティール FG47.8% 3P32.1% FT60.0% | 2勝4敗で敗退 |
2012年 | ヒート | 28.6得点 10.2リバウンド 7.4アシスト 1.6スティール FG47.2% 3P18.8% FT82.6% | 4勝1敗で優勝 |
2013年 | ヒート | 25.3得点 10.9リバウンド 7.0アシスト 2.3スティール FG44.7% 3P35.3% FT79.5% | 4勝3敗で優勝 |
2014年 | ヒート | 28.2得点 7.8リバウンド 4.0アシスト 2.0スティール FG57.1% 3P51.9% FT79.3% | 1勝4敗で敗退 |
2015年 | キャバリアーズ | 35.8得点 13.3リバウンド 8.8アシスト 1.3スティール FG39.8% 3P31.0% FT68.7% | 2勝4敗で敗退 |
2016年 | キャバリアーズ | 29.7得点 11.3リバウンド 8.9アシスト 2.6スティール FG49.4% 3P37.1% FT72.1% | 4勝3敗で優勝 |
2017年 | キャバリアーズ | 33.6得点 12.0リバウンド 10.0アシスト 1.4スティール FG56.4% 3P38.7% FT64.9% | 1勝4敗で敗退 |
2018年 | キャバリアーズ | 34.0得点 8.5リバウンド 10.0アシスト 1.3スティール FG52.7% 3P33.3% FT84.2% | 0勝4敗で敗退 |
この8シーズンの中で、レブロンがNBAファイナルの舞台でわかりやすく不発に終わったのは、2011年くらいです。
ウェイドとボッシュと共に当時としては規格外のスター軍団を結成したにも関わらず優勝できなかったことで、この時には大きな批判を浴びることになりました。
しかしそれ以降のレブロンのファイナルでのパフォーマンスは誰もが認めるものです。
特に、2015年以降のNBAファイナルでは『チームは負けてもレブロンは負けてない』というような状態が続いていましたね。
実際、カリー&ウォリアーズが初優勝を果たした2015年のNBAファイナルでは、有権者11人中7人がファイナルMVPをイグダーラに投票、そして残る4人が敗退したレブロンに投票しています。
ウォリアーズ側としてこの年のファイナルを見ていましたが、「No.1チームはウォリアーズでも、No.1プレイヤーはレブロンだな」と認めざるをえないパフォーマンスでした。
そして、2016年にレブロンはキャブズ選手として初の優勝を達成するわけです。
この年には満場一致でファイナルMVPを受賞しました。
スター選手とレブロンのプレーオフ試合数を比較
8シーズン連続でチームをNBAファイナルに導くには、長いシーズンを戦い抜くコンディションも必要でした。
シーズンを通して健康体を貫くだけでも、並みの肉体では不可能なことです。
他のスター選手と比べても、昨季までの8シーズンのポストシーズン出場試合数では、レブロンが図抜けています。
レブロンがNBAファイナルに連続出場していた2010-11シーズン〜2017-18シーズンの、プレーオフの出場試合数を各選手で比較してみると。
選手 | プレーオフ出場試合数(10-11〜17-18シーズン) |
カワイ・レナード | 87試合(11-12シーズンにNBAデビュー) |
ステフィン・カリー | 90試合(09-10,10-11,11-12はプレーオフ不進出) |
ケビン・デュラント | 121試合 |
レブロン・ジェームズ | 167試合 |
18-19シーズンにNBAファイナルに出場するスター選手(デュラントは怪我で微妙かも)と比べてみると、レブロンがいかに重労働をしてきたかがわかりますね。
それでいて毎年NBAファイナルの舞台で圧倒的パフォーマンスを見せるレブロンは、やっぱり怪物。
ドレイモンド「レブロンのいないNBAファイナルは変な気分」
毎年NBAファイナルの舞台でバチバチにやりあっていたウォリアーズのドレイモンド・グリーンも、レブロンのいないNBAファイナルは「変な気分」とコメントしています。
この二人がヒートアップする光景も、ファイナルの舞台でまた見たい。
レブロンがレイカーズに移籍してからは、二人のフレンドリーな様子も見られました。
多くのNBAファンがドレイモンドと同じように、「変な気分」と思っていることでしょうね。
NBAファイナルにまで勝ち上がることがただでさえ難しいことなのに、その舞台にいないことに違和感を感じさせるのが、レブロンの偉大さを物語っていると思います。
久々の長期休暇を満喫するレブロン・ジェームズ
レブロンが最後にファイナル進出を逃したのは2010年でしたが、プレーオフさえも逃したシーズンは、2005年にまで遡ります。
最初はレイカーズの不調のせいで一つのレブロンの大記録が途絶えてしまった…とネガティブな気分でしたが、
久々の長期休暇をリラックスして楽しんでいる様子のレブロンを見て、これはこれで大事な時間なんだろうなと思えてきました。
普段から家族愛を全面に出しているレブロンにとっても、こういうオフタイムがたくさん取れるのは良いことですね。
とはいえ、レブロンもこの長期休暇を来シーズンも体験することは望んでいないでしょう。
いきなりNBAファイナルにまで進出することは難しそうだけど、少なくともプレーオフには進出してもらわないと。
レブロンがいないと、NBA全体の盛り上がりも欠けます。