誰もの目を引くようなプレーで魅せるカリーやデュラントとは違い、ドレイモンド・グリーンは一見華のあるプレイヤーには見えません。
ただ、ウォリアーズの試合を通してみれば、どれだけグリーンがチームの勝利のために重要な役割を果たしているかは、一目瞭然。
「スーパースター」というような枠組みにいる選手ではないかもしれませんが、黄金期が続くウォリアーズにとって、グリーンは絶対に欠かせない存在です。
コービー・ブライアント「ハンドリングできる4番の選手こそが重要」
最近のNBAでは、PFやCを正規ポジションとする選手も、インサイドだけでなく3Pラインまで攻めの幅を広げることが求められていますね。
2m10cmくらいある選手がポンポンとアウトサイドシュートを放つ光景も、珍しくはなくなってきました。
このようなNBAの風潮に関して、コービー・ブライアントが自身の見解を披露。
コービーは、ドレイモンド・グリーンのような選手こそがチームに必要な存在だと考えています。
最近のNBAでは、ビッグマンが3Pを打ってフロアの幅を広げることが最重要だと皆言うけれど、僕はそれが一番大事なことだとは思わない。
最も重要なことは、ボールをハンドルできる4番の選手を持つことだ。
これが、相手ディフェンスに多くの問題を作り出すことになるからね。
この発言は、コービーがグリーンについて語っていた際に飛び出してきたものです。
他のPF選手に比べるとサイズでは劣るものの、あれだけドリブルをしながらコートを縦横無尽に駆け回るインサイドプレイヤーはそういません。
1試合あたりの移動距離ランキングがあるとしたら、インサイド陣の中でグリーンは上位入り必至なはず。
ちなみに、グリーンのことを買っているコービーとグリーン本人には割と親交があり、グリーンがコービーにアドバイスを求めたりすることもあるそうです。
レギュラーシーズンで73勝を記録しながらも、サンダーに1勝3敗と追い詰められた2016年のプレーオフカンファレンスファイナルでは、グリーンはコービーからテキストで助言を授かりました。
その時のコービーのメッセージがかっこよすぎて。
If making history was easy,why bother?
もし歴史を創ることが簡単なら、わざわざやる必要もないだろう?
数字に残らない活躍も光るドレイモンド・グリーン
ドレイモンド・グリーンの2017-18シーズンのスタッツは
11.0得点 7.6リバウンド 7.3アシスト
2018-19シーズンのスタッツは
7.4得点 7.3リバウンド 6.9アシスト
得点・アシスト・リバウンドでマルチな活躍を残していることはわかりますが、化け物スタッツを記録する選手が多すぎる最近のNBAの中では、さほど印象に残る数字でもありません。
それでもグリーンの評価は高く、例えば『Bleacher Report』が2018-19シーズン開幕前に発表したPF選手ランキングでは、ドレイモンド・グリーンが2位に選出。
同ランキングベスト5の選手のスタッツを並べてみると、いかにグリーンが数字以外の部分も評価されているかわかります。
順位 | 選手 | 2017-18シーズンスタッツ |
1 | ヤニス・アデトクンボ | 26.9得点 10.0リバウンド 4.8アシスト |
2 | ドレイモンド・グリーン | 11.0得点 7.6リバウンド 7.3アシスト |
3 | ケビン・ラブ | 17.6得点 9.3リバウンド 1.7アシスト |
4 | ラマーカス・オルドリッジ | 23.1得点 8.5リバウンド 2.0アシスト |
5 | ジェイソン・テイタム | 13.9得点 5.9リバウンド 1.6アシスト |
ひょっとしたらPGのカリーよりもメンバーの統率力があるんじゃなかと思う場面が結構あったり、得点のきっかけとなる「アシストのアシスト」をする場面も多いグリーン。
ディフェンスの良さも含め、数字には残らない活躍も、グリーンを語る上では外せない。
チームのメンター的役割も果たすドレイモンド・グリーン
ウォリアーズの良きリーダーであるステフィン・カリーは、熱血系の盛り上げ選手というタイプではないと思います。
ガツガツとチームを引っ張っていく役割は、ドレイモンド・グリーンが担っているだろうと。
ウォリアーズファン以外の大半からは嫌われているであろうグリーンは、沸点の低さゆえの振る舞いで度々ブーイングを受けますが、ウォリアーズの士気を盛り下げるような、利己的な行動に出てしまったことはないと記憶しています。
度々のテクニカルファールが結果ウォリアーズにダメージを与えていることは最もだけど、自分勝手なプレーでチームの和を乱すようなことはしない選手。
審判や相手選手への過激な振る舞いに似合わず、チームプレー最優先の選手であるグリーンは、個人技に走ったデュラントを全力で注意をしたり。
ドフリーのダンクを失敗してしまったベルへのフォローも、チームメイトとして理想の姿です。
その後、グリーンはベルに激励の言葉をかける。 「彼もショット外してる、彼も、オレも。気にするな、打ちつづけろ」 「ショットは外した、オレたちも外した。誰も完璧じゃない」 pic.twitter.com/X7y7V6hE1f
— Warriors News (@gswarriors_j) 2019年5月19日
これは、グリーンの好感度が上がっちゃうな。
ウォリアーズのキーマン ドレイモンド・グリーン
ウォリアーズで一番重要な選手だと言う人もいるくらい、ドレイモンド・グリーンはチームに欠かせない存在です。
キャブズに1勝3敗から逆転された2016年のNBAファイナルでも、どう考えてもグリーンの第7戦欠場が痛すぎました。
試合後のベストプレー集だけでは把握しきれないグリーンの実力は、1試合すべての流れを通して確認したいところですね。