ステフィン・カリー

セス・カリーとステフィン・カリーの兄弟対決がアツい【苦労人の弟】

兄は世界的スーパースター、そして弟は途方も無い苦労の末にようやくNBAでの居場所を掴み取ったという、対照的なステフ&セス兄弟。

この二人が同じコートに立ってマッチアップするときには、やはり注目が集まります。

そしてとうとう、プレーオフの舞台でも顔合わせすることになったカリー兄弟。

苦労人のセス・カリー

デューク大出身のセス・カリーは、まずNBAの公式戦でコートに立つまでに、相当な苦労を積み上げています。

2013年のNBAドラフトではどのチームからも指名されず、無保証の契約でなんとかウォリアーズに加入。

少しの期間だけ、セスとステフはチームメイトの関係にありました。

しかし、レギュラーシーズンの開幕前に解雇

その後Dリーグでの活躍が認められ、2013年が終わりかけの時期にようやくグリズリーズと契約し、2014年1月5日の試合でNBAデビューを果たしました。

しかししかし、グリズリーズからはこの1試合に出場しただけで無慈悲の解雇

次に拾われる形となったキャバリアーズでは、2ヶ月以上のブランクを経て3月22日の試合に出場。

ここで3P1本を決めてNBA初得点。

しかししかししかし、キャバリアーズでの出場もこれが最初で最後となり、またも解雇されてしまいます。

 

セスの経歴を見ていると、NBAがいかにシビアな世界であるかを再確認できます。

16-17シーズンにダラス・マーベリックスで居場所をつかむ

その後もチームを渡り歩き、セスが初めてシーズンで2ケタの出場試合を記録したのは、キングスに所属していた2015-16シーズンのことでした。

この時は44試合(うち9試合はスタメン)に出場し、平均6.8得点をマーク。

このシーズンには3P成功率45.0%を記録し、さすがのDNAを見せつけました。

シーズン終了後、キングスからFAになってからは、すぐにダラス・マーベリックスと契約。

ようやく、周囲から実力が認められてきた具合。

兄ステフィン・カリーとの対決

2016-17シーズン、マブスで十分な役割を与えられたセスは、平均12.8得点 3P42.5%という立派なスタッツを記録。

長らく苦労が続いていたセスが、ようやく居場所を見つけられたシーズンでした。

そしてこのシーズンには、NBAレベルに達したセスと、前年満場一致MVPの兄ステフィンの対決も盛り上がりましたね。

11月9日に行われたまぶすvsウォリアーズ戦では、カリー兄弟がともにスタメン出場して戦う初めての試合となりました。

兄カリーが24得点、弟カリーが10得点のパフォーマンス。

 

ステフもこの時の感動をツイートしています。

「ひ孫にまで伝わるストーリーだ!」と。

セスの苦労話だけに注目してしまいがちだけど、ステフの方も「NBAで通用するわけがない」と言われたスタート地点から始まり、そこからMVPにまで登り詰めた壮絶な努力人です。

兄弟二人がNBAの舞台でスタメンとして顔合わせするのは、確かに伝記レベルのすごいこと。

17-18シーズンを棒に振ったセス・カリー

セスが自分の居場所を見つけられたところでめでたしめでたし…

と行きたいところですが、彼の苦労はまだ終わらず。

2017-18シーズン前に左脛骨のストレス反応を診断されたセスは、無期限の離脱という処置を受けることに。

マブス新シーズンの戦術として、セスのスタメン入りが示唆されていたこともあり、非常に残念な出来事でした。

手術をすることになったセスは、17-18シーズンを1試合も出場することなく終了

オフにFAとなりました。

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ブレイザーズでの新シーズン

1シーズンのブランクは市場価値的にキツいかと思いましたが、18-19シーズン開幕前に無事ブレイザーズと契約を結んだセス。

大きな怪我もなく74試合に出場し、平均7.9得点 3P45.0%を記録しました。

シーズンハイは、2度記録した22得点です。

そして18-19シーズンにも、ステフvsセスの対決が実現しました。

2018年12月27日に行われた試合は、お互いの長所が存分に目立つアツいゲームでしたね。

プレーオフ・カンファレンスファイナルで二人の対決が実現

セミファイナルでロケッツを破り、一足先にカンファレンスファイナルまで駒を進めていたステフ率いるウォリアーズ。

ウエスタンの逆山では、ブレイザーズがナゲッツとの激戦を制してカンファレンス決勝へ。

これで、カリー兄弟がカンファレンスファイナルの舞台で顔合わせすることになりました。

ブレイザーズでの第7戦後、セスはステフから『I’ll see you Tuesday(火曜日の試合で会おう)』とのメールを受け取ったと。

NBAの歴史上、兄弟がカンファレンスファイナルで対決するのは初めてだそうです。

今プレーオフでもセスはある程度の出場時間が与えられているので、カリー兄弟が同時間帯にコートに立つ光景もほぼ確実に見れるはず。

プレーオフでの二人の対決が、楽しみですね。

親戚凱旋ツアーを実施中のステフィン・カリー

ちょっとおまけ的なトピックですが、ウォリアーズの2019年プレーオフでは、ステフにとって意味のある対戦カードが続いています。

1stラウンド・セミファイナル・カンファレンスファイナルの3シリーズで、必ず親戚関係にある人物のいるチームと対戦する、というもの。

ステフの弟セス・カリーは、現在クリッパーズでHCを務めるドック・リバースの娘と結婚しています。

そのため、ステフとドック・リバースは親族の関係に。

そんなリバースHC率いるクリッパーズと、ウォリアーズは1stラウンドで激突しました。

そしてセミファイナルで待ち受けていたのは、ドック・リバースの息子であるオースティン・リバース

だんだん複雑な相関図になってきてますが、オースティンも一応カリーの親族にあたるわけですよね。

そしてウエスタン頂上決戦では、この面白い親族関係を作り上げた根源とも言える、セス・カリーが満を持してステフと対決するわけです。

ステフは親族全員を蹴散らし、見事NBAファイナルにまでたどり着くことができるか。

大注目の兄弟対決

ただでさえ面白い対戦カードである「ウォリアーズ対ブレイザーズ」のシリーズは、カリー兄弟競演という華々しいオマケにより、さらに楽しみなものになりました。

兄と同じNBAの舞台でプレーするために、相当な苦労を積んできたセスにとっても一つの集大成となる気が勝手にしており、セスのパフォーマンスにも注目したいところです。