2019年イースタンカンファンレスセミファイナルは、4勝1敗でバックスがセルティックスを破る結果となりました。
1stラウンドからセミファイナル第1戦までを5連勝で駆け上がり、大きく期待されていたセルティックスは無念のシーズンエンド。
そしてシリーズが決したセミファイナル第5戦が、カイリー・アービングにとって最後のセルティックスでの試合になる可能性が。
セルティックス移籍後、結果を残せないカイリー・アービング
17-18シーズンのプレーオフ全試合を怪我で棒に振ったカイリーは、今季がセルティックスの選手として迎える初のポストシーズンでした。
チームリーダーとして思う存分暴れて欲しかったカイリーでしたが…パフォーマンスはイマイチ。
特に、格上相手に奮起することが必須だった、バックスとのセミファイナルでは精彩を欠きました。
セミファイナル5試合分のスタッツがこちら。
20.4得点 4.4リバウンド 6.4アシスト 1.4スティール 3.6ターンオーバー FG35.6% 3P21.9% FT91.3% |
シュート成功率が、だいぶ残念な結果になっています。
エースのこのパフォーマンスで、今季リーグ1位の勝率を残したチームを撃破するのは難しい。
プレースタイルの格好よさは相変わらずだし、調子の良いときには、カイリーの非凡さに毎回魅せられるのだけど。
リーダーとして課題を抱えるカイリー・アービング
シーズン中、メディアの前で若手のチームメイトを批判したことは、大きな話題となりました。
チームリーダーが、仲間への文句を公然と垂れ流すなんてことは、なかなか起こりえないことです。
公共の場で批判されたチームメイトは良い気がするはずもないし、何よりこれは、これっぽっちもチームの前進につながる行為ではないですからね。
ただ募らせたフラストレーションを解放したかっただけ。
さすがに反省したカイリーは、後からチームメイトに謝罪をしています。
今現在のチームのケミストリーが気になるところ。
カイリー・アービングにはレブロン・ジェームズが必要?
そもそもカイリーが、デビューから6年間在籍したキャバリアーズの退団を希望したのは、レブロンの影になるのではなく、自分主体のチームでプレーしたかったから、と言われています。
セルティックス移籍後は、念願のオフェンスファーストオプションの座をゲットできたはずですが、当初期待されていたほどのパフォーマンスは発揮できていない現状です。
キャブズ在籍最終年と、セルティックス2年分のレギュラーシーズンのスタッツを比較してみましょう。
シーズン | チーム | スタッツ |
2016-17 | キャバリアーズ | 35.1分出場 25.2得点 3.2リバウンド 5.8アシスト 1.2スティール |
2017-18 | セルティックス | 32.2分出場 24.4得点 3.8リバウンド 5.1アシスト 1.1スティール |
2018-19 | セルティックス | 33.0分出場 23.8得点 5.0リバウンド 6.9アシスト 1.5スティール |
見てもらえばわかる通り、セルティックス移籍以降は、そもそも出場時間が減少しています。
なので、36分換算スタッツなど、効率面で見ればセルティックスでの2年間のパフォーマンスが上回る結果。
ただこれだと、近年爆発的な個人成績を残すNBA界の中では、MVP有力候補になるほどの数字は残せていないと言えます。
カイリーの圧倒的な個人能力に関しては、キャブズ時代から誰もが知るところだったのでした。
エースとして独立したのであれば、よりハイレベルなスタッツを記録してほしいところ。
レブロンに謝罪したカイリー
先ほども言った若手とのケミストリー問題や、思うようにチームを勝利に導けないリーダーとしての難しさを知り、
カイリーはレブロンに対し、キャブズ時代の自分の身勝手さを謝罪したと公言しています。
キャブズ時代には、自分の個人成績やオールスター出場のことばかりを考えていたと。
しかしレブロンは、自分個人のことでなく、チームの勝利を最優先するリーダーであったと。
そんなレブロンに対して、自己中心的な考えや振る舞いをぶつけてきた当時の自分の愚かさを、リーダーとなった今知ることとなり、謝罪したそうです。
現時点では、「やっぱりカイリーにはレブロンが必要だった」と言われても仕方ない状況となっていますね。
シャックのレイカーズ退団後にリーダーとなったコービー・ブライアントは、しばらく勝てずに批判される時期が続きましたが、見事にチームをまとめ上げ、2連覇を達成しています。
カイリーも、ここからリーダーとしてのレベルをあげ、自分主体のチームで優勝を成し遂げるか。
それとも…
移籍が噂されるカイリー・アービング
17-18シーズン、カイリーやゴードン・ヘイワードの離脱によって厳しい戦いが続いたセルティックスでしたが、思いもよらぬ大健闘を見せてカンファレンスファイナル決勝まで駒を進め、キャブズ相手に第7戦までもつれる死闘を演出しました。
しかしフルメンバーが揃った18-19シーズンはセミファイナルで敗退し、まさかの昨季以下の結果でシーズンの終わりを迎える事態に。
カイリーやゴードンが振るわなかったことや、昨季新人としてブレークしたジェイソン・テイタムも今季はパッとしなかったことなど、セルティックスはオフになんらかの変化を起こしてくるかも知れません。
セミファイナル敗退後には、こんな画像が出回ったり。
The Kyrie Decision awaits. pic.twitter.com/lv7I44S8Qd
— Bleacher Report (@BleacherReport) 2019年5月9日
エース級の選手がチームで結果を残せなかったとき、より良い結果を求めて新天地へ行く…みたいな情けない予想は、いつから慣習になったんでしょうかね。
同じメンバーで前年以上の結果を狙ってこそ、ドラマがあるだろうに。
ただ2年の結果を受けて、セルティックス側の方が、現在のカイリーの価値を見極めかねていることもありえる気がします。
チーム内でのケミストリーも含め、今のカイリーを放出する決断は、それほど腰の思いものではないのかも。
ニックスでデュラントとタッグを組む噂もちょっと前から流れていますが、今のカイリーは何を思うのか。
カイリー・アービングの個性は失われないでほしい
まだ20代後半に差し掛かったばかりのカイリーは、もう数段階レベルが上がる可能性を秘めた選手です。
特別カイリーファンというわけではない自分ですが、やっぱり一番の理想は、来季もセルティックスでプレーすることだろうと思いますね。
どうしても、数年間で移籍を繰り返してしまうと選手としての価値は下がってしまうし。
スター選手が簡単に他チームに移りすぎていて、移籍のハードルがとても低くなっているのもわかるけど。
今噂されているチームでスーパースター軍団を結成するとなれば、カイリー個人の理想からは、よりかけ離れたものになってしまうのではないかと。
周りの選手のレベルが上がったチームでプレーするのではなく、カイリー自身がリーダーシップを向上させて、チームそのもののレベルを底上げする姿がみたいところです。