ウエスタンカンファレンスセミファイナルの第5戦にて、ヒヤッとするシーンがありました。
特にロケッツ選手と接触した様子はなかった、ケビン・デュラントの体に異変が。
So many NBA ramifications — tonight, these playoffs, this summer and far beyond — ride on whether this scary Kevin Durant injury is what many fear pic.twitter.com/ZYFDnaUkXX
— Anthony Slater (@anthonyVslater) 2019年5月9日
痛がっている箇所から推測して、まさかアキレス腱をやってしまったのではないか…と心配しましたが、そこまでの大事には至らず。
試合後に「右ふくらはぎの肉離れ」との発表がありました。
そこまでの大怪我ではなかったものの、今後の復帰時期はまだ未定。
もしかしたら今プレーオフで一番の正念場かもしれない、ロケッツとのシリーズに影響がでることは間違いありません。
ケビン・デュラントのいないウォリアーズは、どうなるのか。
ケビン・デュラントのいないウォリアーズは優勝不可能?
言うまでもなく、ケビン・デュラントはウォリアーズに欠かせないキープレイヤーです。
特に今季の、プレーオフに入ってからのデュラントは凄まじい。
レギュラーシーズンとプレーオフ(10試合終了時点)のスタッツを見てみます。
18-19レギュラーシーズン | 26.0得点 6.4リバウンド 5.9アシスト 1.1ブロック FG52.1% 3P35.3% FT88.5% |
18-19プレーオフ | 35.4得点 5.2リバウンド 5.0アシスト 1.1ブロック FG51.8% 3P42.9% FT90.6% |
レギュラーシーズンでも安定したパフォーマンスを見せていたデュラントは、プレーオフに入ってからさらにギアを上げ、現時点でリーグトップの平均得点を稼いでいます。
成功率を見ても、50-40-90を見事に満たしており、非の打ち所なし。
そんなデュラントが欠場するとなれば、ウォリアーズにとって甚大なダメージとなることは間違いありません。
過去3シーズンのデュラント欠場時の戦績
ウォリアーズがレギュラーシーズン歴代最高の『73勝9敗』という成績を残したのは、デュラントが加入する前年のお話です。
もともと、常にNBAトップを狙える存在だったはずのウォリアーズですが、今ではデュラントなしでNBAファイナルの舞台にたどり着くことすら、想像しにくくなっています。
第一、デマーカス・カズンズが離脱した時点で「ウォリアーズは優勝できない」と言い始める人もいるくらいなので、だいぶ末期。
実際のところ、ウォリアーズのデュラントなしでの戦績はどんなものなのか。
デュラントが加入した16-17シーズン以降の、デュラント欠場時のウォリアーズの勝敗をまとめてみました。
2016-17シーズン | 18勝4敗 |
2017-18シーズン | 9勝5敗 |
2018-19シーズン(5/9時点) | 3勝1敗 |
各シーズンのプレーオフを含め、デュラントが1秒も出場しなかった試合をカウントしています。
3シーズンを総合的にみると、ものすごく勝率を落としているということはないんですね。
ただ、過去3季でデュラントが欠場した40試合中、38試合がレギュラーシーズンの試合だった点が結構重要かと。
相手チームへガチガチの対策を施すプレーオフでは、デュラント欠場の穴は大きく響くはずです。
今季のプレーオフでも、すべての相手のDF戦術を無効にする、デュラントの圧倒的な決定力が目立っていましたからね。
むしろウォリアーズ側も特に戦略を練らなくても、KDに任せておけばどうにかなるような。
プレーオフのステフィン・カリーは波が荒め
シンプルにカリーファンとしては、カリーが3Pを決めまくって、ウォリアーズが勝利するところが見たいんですけどね。
これはカリーびいきとしても認めなくてはいけないところで、プレーオフに入ってからのカリーには安定感がありません。
18-19プレーオフでも、現時点でカリーは平均23.3得点 3P38.3%と、本調子でないことは明らか。
38得点したプレーオフ第1戦はシビれたけど、それ以降の試合では比較的おとなしめ。
ボール保持前にべったりとマンツーマンをされると、露骨にシュートのリズムが取れていないように見えます。
ディフェンスのいいチームにとって、相手チームへの戦略を十分に練れるプレーオフの舞台でカリーを止めることは、それほど難しくないのかも。
そしてカリーが不発でチームの流れが悪い時にも、お構いなしにシュートを決められる理不尽なデュラントは、やっぱり必要な存在です。
他チームのレベルも上がっている
思うに、昨季のウォリアーズvsキャブズのNBAファイナルに関しては、デュラントがいなくとも、ウォリアーズが戦力的に勝っていたのではないかと。
デュラントが全試合を欠場したとしても、4勝2敗、あるいは4勝3敗でウォリアーズがNBAチャンピオンになっていたと予想します。
ただ、デュラントなしではそもそもNBAファイナルに行き着くことができなかったですね。
昨季のウエスタンカンファレンス、フルセットでギリギリ勝ち上がったロケッツ相手には、デュラントの決定力が不可欠でした。
最近のロケッツや、今季躍進を遂げたバックスなどに言えることですが、
数年前にフランチャイズプレイヤー中心でNBAを制覇したウォリアーズが、今ではデュラントなしでの優勝を想像できなくなってしまったのは、他チームのレベルアップも大きな理由です。
ケビン・デュラントなしでの3連覇は相当厳しい
とりあえず、デュラントの怪我に関するニュースは要チェックです。
どこまで欠場が続いてしまうのか。
ウォリアーズがここから全試合デュラントなしで戦うことになれば、3連覇への道のりは凄まじく険しいものになるはず。
早々な復帰を願いつつも、ファイナルMVPはカリーに譲ってほしいと思っている厄介なファンですが、
兎にも角にも、ゴールデンステート・ウォリアーズにケビン・デュラントは不可欠。