コービー・ブライアント

レブロンとコービーの頂上決戦が見れるはずだったあのシーズン

Twitterでこんなものが流れてきました。


10年前の5月4日は、レブロン・ジェームズが初めてシーズンMVPを受賞した日だと。

これまでに合計で4つのシーズンMVPを獲得してきたレブロン。

初MVP受賞前の時点で、レブロンの非凡さはとっくに世に知れ渡っていましたが、名実ともにスーパースターとなったのがこの時期です。

そしてこの年のMVP投票2位には、コービー・ブライアントの名前が。

全NBAファン待望のFINALでの『レブロンvsコービー』

レブロンMVP初受賞前年の07-08シーズン、コービー率いるレイカーズは、シャック時代以来のNBAファイナルヘと駒を進めていました。

一方のキャブズはレブロン入団から着実に力をつけ、06-07シーズンにNBAファイナル進出、そして08-09シーズンにはレギュラーシーズンリーグ最高勝率の『66勝16敗』を記録。

同シーズンでレイカーズはウエスタン1位の『65勝17敗』の成績を残しており、ファンがキャブズとレイカーズの頂上決戦を待ち望むのは、ごく当たり前のことでした。

圧倒的なスーパースターを一人擁するという部分で、当時のキャブズとレイカーズには共通点がありましたね。

この時期のNBAで最も注目されていたライバル関係を持つ二人は、間違いなくレブロン・ジェームズとコービー・ブライアントでした。

レギュラーシーズンでの対戦

08-09シーズン、キャバリアーズとレイカーズが2度の対戦をしています。

このカードが実現するときには、もっぱらレブロンvsコービーとして話題になっていましたね。

このシーズンでは、レイカーズが2勝0敗と強さを見せつけました。

この後にも、NBAファイナルの舞台で両チームの対決が見れると思っていたのだけれど。

プレーオフで勝ちきれなかったレブロンとキャブズ

66勝16敗でリーグ1位のシーズン成績を残したキャブズは、当然この年の優勝候補筆頭です。

レブロン個人はプレーオフに入ってからも抜群のパフォーマンスを見せ、ポストシーズンリーグ最多の平均35.3得点に加え、9.1リバウンド 7.3アシスト FG51.0%を記録。

しかし…

チームはカンファレンスファイナルで、オーランドマジックにまさかの敗戦。

当時リーグNo.1センターとして君臨していたドワイト・ハワードを擁し、さらに前年チャンピオンのセルティックスを破ってきたとはいえ、第3シードのマジックよりも、キャブズは明らかに格上のチームでした。

このシリーズでも38.5得点 8.3リバウンド 8.0アシストを記録していたレブロン。

個人としては、もうこれ以上やりようがないとも思えます。

シリーズ敗退が決まった第6戦のあとには、マジックの選手との挨拶もなし、さらに記者会見もキャンセルで会場をあとにしたことで批判をくらいましたが、胸中お察しします、という感じです。

これで、「1度目の」レブロンvsコービーをNBAファイナルで実現する機会が消滅しました。

マジック相手に快勝したレイカーズ

一方のレイカーズは、セミファイナル相手のロケッツと、カンファレンスファイナル相手のナゲッツに苦戦したものの、予想通りNBAファイナルまでたどり着きました。

コービーが覚醒していたレイカーズにとっては、当時のオーランド・マジックはNBAファイナルの相手としてやや物足りないぐらいにも思えましたね。

レイカーズは4勝1敗で楽勝。

シリーズ平均32.4得点を記録したコービーが、初のFINAL MVPを獲得しました。

 

マジックファンには悪いけど…やはりレイカーズvsキャブズのNBA FINALが実現していた方が、シナリオとして優れていた気がしてなりません。

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2009-10シーズンにも『レブロンvsコービー』は実現せず

さて、気を取り直して次のシーズン。

09-10シーズンも圧倒的な個人成績を残したレブロンが、2年連続でシーズンMVPを獲得しました。

チームとしても前年に続きリーグ1位の勝率を記録し、レギュラーシーズンに関して言えば、やっぱりレブロンとキャブズが一番の注目株。

ボストン・セルティックスの前に散ったレブロン

ここでもレブロンに苦難。

今度のドリームクラッシャーは、カンファレンス4位でプレーオフに進出していたボストンセルティックスです。

セミファイナルで対決したキャブズとセルティックス。

4勝2敗でカンファレンスファイナルに駒を進めたのは、セルティックスでした。

まさかここで、キャブズのシーズンエンドが決まるとは…。

コービーがセルティックスにリベンジ

ファイナルで2人の対決が見れなかったのは残念ではありますが、このシーズンに関しては、レイカーズvsセルティックスのカードがベストだったかもしれません。

シャックがレイカーズを去ってから初めてのファイナル出場だった2007-08シーズン、コービーはセルティックス相手に敗れています。

歴史的なライバルチームであるレイカーズとセルティックスの対戦が2年ぶりにNBA FINALの舞台で再戦、

そして前回敗戦の悔しさを糧にして、さらにレベルを上げたコービーがリベンジ、というドラマのある展開でした。

コービー本人としても、セルティックスこそが優勝決定戦で最も倒したいと願う相手だったのではないでしょうか。

勝負が決したのがラストの第7戦というのも最高でしたね。

素晴らしくスリリングなマッチでした。

 

これで、レブロンがシーズンMVP、そしてコービーがファイナルMVPを受賞する展開が2シーズン続きました。

名勝負を実現できなかったことを後悔するレブロン

コービーとレブロン2人の絶頂期がうまく重なったのが、この2008〜2010年頃だったと思います。

この時期に、2人のNBA FINALでの対決が実現していれば、どれだけ盛り上がっていたことか。

 

2018年2月、NBA情報誌「SLAM」のインスタグラムにて、

「私たちが望んだが実現しなかったファイナル」として、コービーとレブロンがマッチアップする画像が投稿されました。

面白いのは、この投稿にレブロン本人がコメントしているところです。

『この実現のためにベストを尽くしてきたんだよ!ちくしょう。あの頃、もっと努力しておけばよかった』

文末には、王冠(キング)と蛇の絵文字を添えて。

未だにリーグトップクラスに君臨するレブロンの凄さ

最後にレブロンを上げておきましょう。

2009年のレブロン初MVP受賞について、投票の2位がコービー、3位がウェイドという名前だけを見ても、これがどれだけ昔の出来事であったかを伺えます。

当時24歳だったレブロンも、今や34歳です。

レブロンMVP初受賞から9シーズンが経過した17-18シーズンには、ジェームズ・ハーデンがMVPに輝いていますが、驚くべきはこの投票での2位がレブロンであったこと。

ちなみに、82試合にフル出場した不老不死のレブロンと、10試合に欠場したハーデンの総合的なスタッツを比較すると、レブロンの方が勝っていたというデータも。

シーズン順位ではキャブズのイースタンカンファレンス4位に対し、ロケッツはリーグ1位だったので、チーム成績も重要視されるシーズンMVPにおいては、ハーデンの受賞が妥当であったとは思いますが。

逆に、当時33歳のカンファレンス4位チームに所属する選手が、個人パフォーマンスでMVP投票2位にまでつけることが凄すぎます。

 

コービーがリーグNo.1と言われていた時代から、スーパースターとして活躍していたレブロン。

19-20シーズン以降も、変わらぬ支配力を見せて欲しい。