世界で最も偉大なヘッドコーチの一人であると言える、グレッグ・ポポビッチのコーチングをこれからもまだ見れることに。
2018-19シーズンがスパーズとの契約最終年となっており、プレーオフでのファーストラウンド敗退が決定した時点で、もしかしたらポポビッチ×スパーズのバスケはもうこれで見納めになるかもしれなかった状況でした。
スパーズのポストシーズンは早めに終わってしまいましたが、ポポビッチの続投ニュースはスパーズファンにとって喜ばしいものですね。
スパーズと新たな3年契約を結んだグレッグ・ポポビッチ
NBAでのコーチ業をスパーズのアシスタントコーチから始め、その後
→ウォリアーズAC
→スパーズGM
→スパーズHC
と移っていったポポビッチ。
スパーズのHCはポポビッチが48歳だった1996-97シーズンから務めてきました。
そんなポポさんも、すでに70歳。
18-19シーズンがHCとして23年目のシーズンとなっていましたが、新たにスパーズとの契約を結ぶことに。
Gregg Popovich expect to sign 3-year deal. #GoSpursGo pic.twitter.com/aEOnCxSjO4
— SpursNation (@MySpursNation) 2019年4月30日
契約は3年間と公表されていますが、翌年の続投については、1シーズンの終了ごとに検討していくようです。
HC最高額のサラリーを受けるポポビッチ
NBAで最も高額のサラリーを得るヘッドコーチであるポポビッチは毎年1100万ドルの収入を得ていると報じられています。
ポポビッチのサラリーがHCの中でNo.1であることは、多くの人にとって納得のいく事実ですね。
今回の新たな3年契約によって、ポポビッチはこの地位をキープすることになると思われます。
ポポビッチとスパーズの経歴
1996-97シーズンにポポビッチがスパーズのHCに就任してから、チームがプレーオフを逃したのは、初年度の1回だけです。
さらに言うと、ポポビッチのHCデビュー年でプレーオフを逃すシーズン成績を記録したことが、翌1997年ドラフトでティム・ダンカンを1位指名できたことにつながっているので、それを考えれば、唯一のプレーオフ不進出すらも完璧なシナリオでした。
その後は22年連続でプレーオフ進出中で、これはアクティブなNBA記録となっています。
この間には5度のNBA優勝を果たしており、ポポビッチのスパーズでの功績は、誰もが認める偉大なものです。
ポポビッチの人間的な魅力
ポポビッチがここまでの名物コーチとなっているのは、指揮官としての手腕に加えて、人間的な魅力が欠かせない部分なんですよね。
有能な知将としての側面を持ちながらも、普段は茶目っ気のあるユーモアラスなおじさんです。
ポポさんのユーモアが全開になっているワンシーンをいくつか挙げてみます。
まずはこちら。
ゴール下での支配力は圧倒的ながら、フリースローの実力が素人以下だったシャキール・オニールには、「Hack a shaq」という戦法がよく相手ディフェンスから用いられていました。
しっかりとしたオフェンスをやらせる前に、意図的なファールによってシャックを最初からフリースローライン送りにしてしまおう、というもの。
NBAで流行したこの戦法を踏まえて、ポポビッチはなんとティップオフ直後に「Hack a shaq」を実行するというおふざけを披露。笑
もちろんファールが蓄積していない状況でのこの行為にはなんの意味もなく、ただただポポビッチのユーモアな部分が垣間見えるだけの一場面でした。
お次はこちら。
コールに納得のいかなかったポポビッチが審判にブチ切れ、NBA史上最短記録となる、試合開始から『63秒』での退場処分を受けた後の出来事。
相手チーム、ナゲッツHCのマイク・マローンの試合後インタビューに乱入しました。
😂 Popovich crashes Mike Malone’s postgame interview.
Malone: We were talking about the new NBA record tonight.
Pop: What was the record? What happened?
Malone: Somebody got thrown out in 63 seconds.
Pop: Are you serious!
— Ballislife.com (@Ballislife) 2019年4月4日
マローン「僕らは今、NBAの新記録について話していたんですよ」
ポポビッチ「なんの記録だって?何があったんだ?」
マローン「誰かさんが、63秒で退場したんですよ」
ポポビッチ「マジで言ってるのか??そいつはきっと誰かを殴ったりでもしたんだろう」
ちょっとしたシーンですけど、こういう面白い立ち振る舞いをするおじさんのことは、スパーズファンじゃなくても好きになっちゃいますよね。
アメリカ代表でのコーチングにも期待
ポポビッチは、2019年8月から中国で開催されるワールドカップ、そして2020年7月から始まる東京五輪の両方で、アメリカ代表の指揮を取ることが決定しています。
国を背負ったチームのHCを務める重圧が相当なものであるのは、誰にでも簡単に予想できることだし、これも理由で、スパーズのHCは2018-19シーズンが最後になるのではないかと囁かれていました。
結果として、まだNBAでのHCも続けることとなり、70歳のポポビッチにとっては、もしかしたら代表に選出される選手並みのタフなスケジュールが続きますね。
BREAKING: Coach Greg Popovich named Team USA Coach after Coach K retires. 2017-2020 pic.twitter.com/yY3IKy0vkK
— Spurs Nation (@SpursNationCP) 2015年10月23日
スパーズを1シーズン指揮し、その後のオフシーズンで2年連続でアメリカ代表を背負うというのは、かなりのものです。
それでも、歴代屈指の知将であるポポビッチをHCにすることのメリットは大きいはず。
ワールドカップへは不参加を表明しているレブロン・ジェームズも、「ポポビッチが率いるTEAM USAには興味がある」として、東京五輪の参戦には含みをもたせています。
偉大なHCの参加は、偉大な選手を参加させる効果もあるはず。
ポポビッチとスパーズのバスケットは続く
スパーズの場合、レギュラーシーズンではパッとした成績を残せていなくても、プレーオフに進出さえすれば、いいところまで勝ち上がる気がしてしまう不思議があります。
これは、スパーズとポポビッチがこれまで積み上げてきた実績によるものだろうと。
開幕前には全く期待されていない状況ながらも、最終的にNBA制覇を果たしたシーズンだってありました。
少なくともポポビッチがいる限り、スパーズはずっとそんな存在であり続けることだと思います。
ポポビッチには、これからもスパーズのベンチサイドに居続けて欲しい。