渡邊雄太

渡邊雄太のNBA1年目まとめ!グリズリーズでの挑戦【初ダンク】

2018-19シーズンは、日本人2人目のNBAプレイヤーが生まれたシーズンとなりました。

シーズン当初、渡邊雄太がNBA選手であるという事実にはやや夢見心地な気分もありましたが、今ではだいぶ定着した気がしますね。

渡邊雄太のNBA1年目のシーズンを振り返っていきます。

渡邊雄太・NBA契約までの経緯!まずはドラフト指名への希望

ジョージ・ワシントン大学では、所属していたA10カンファレンスの年間最優秀ディフェンス賞を獲得するなど、NBA入りに向けて十分なパフォーマンスを残していた渡邊雄太。

その後は、NBAグローバルキャンプに参加し、スカウト陣へ猛アピール。


残念ながらNBAドラフト2018で、「Yuta Watanabe」の名前が呼ばれることはなく。

しかし、このキャンプでの活躍もあり、渡邊はブルックリン・ネッツからサマーリーグに招待されることとなりました。

サマーリーグでの活躍

渡邊雄太はブルックリンネッツの一員として、サマーリーグに5試合出場。

この頃から、現地実況者の「ワタナビ」呼びも一つの風物詩に。

5試合分の主要スタッツがこちら。

1試合目:マジック戦8得点 4リバウンド 2ブロック
2試合目:サンダー戦13得点 5リバウンド 2スティール 4ブロック 
3試合目:ウルブズ戦14得点 4リバウンド 2ブロック
4試合目:ロケッツ戦4得点 7リバウンド
5試合目:ペイサーズ戦8得点 3アシスト 1スティール
5試合平均スタッツ24.0分出場 9.4得点 4.2リバウンド 1.2アシスト 1.6ブロック FG41%

5試合をまとめたフルハイライトも見ておきましょう。

結果的に見て、渡邊がこの5試合で十分なパフォーマンスを披露できたことが、日本人2人目のNBAプレイヤー誕生につながったことになります。

サマーリーグでネッツのHCを務めていたジャック・ボーンのコメントを紹介。

彼はおそらく、練習と試合の両方で、チームで最も安定した選手だ。
彼のことを信頼しているよ。

そして、メンフィス・グリズリーズとの2Way契約へ

そして待ちに待ったこの瞬間。

この発表後は、“2-way契約とはなんぞや??”という疑問が日本バスケファンの間を駆け巡りました。

シンプルに言うと、NBAとNBA下部組織のGリーグを行き来する契約のことですね。

常にグリズリーズの試合に帯同するわけではないと。

渡邊の年棒は、約870万円とされています。

もちろん、他のNBA選手に比べれば控えめな額ですが、契約できたことがすごすぎる。

メンフィス・グリズリーズでのプレシーズン

レギュラーシーズン開幕前に、まずは大事なプレシーズンゲームです。

正直なところ、安定した身分にいるとは言えない渡邊にとっては、毎試合がサバイバル。

プレッシャーも大きかったでしょうが、ワタナビはプレシーズンでも確かな爪痕を残しました。

一番シビれた試合はやっぱり、ペイサーズ戦でのクラッチショット含む11得点ゲームですね。

まず、かの有名なハイライト動画職人「FREE DAWKINS」が、動画を作ってくれていることに一つの感動があります。

プレシーズンゲームとは言え、日本人としてこのパフォーマンスにテンションが上がらないはずがないですねえ。

シーズン途中でラプターズに移籍してしまったマーク・ガソルも大喜びのクラッチショット。

今見てもニヤけちゃう…。

渡邊雄太が本当にNBA選手になったという事実を実感させてくれる人場面でしたね。

 

4試合に途中出場した、ワタナビのプレシーズンスタッツがこちら。

10.8分出場 3.8得点 1.5リバウンド 0.8ブロック FG58.3% 

ドラフト外選手としては、まずまずの成績でレギュラーシーズンにまでたどり着いたはずです。

グリズリーズの一員としてレギュラーシーズン開幕

そして、いよいよNBAの公式戦へ。

先ほども言った通り、2way契約の渡邊は、グリズリーズの全試合にベンチ入りするわけではなく。

開幕後数試合は、渡邊のNBAデビューはいつ見れるんだ??とヤキモキする日々が続きました。

シーズン5試合目にロスター入りした渡邊は、現地2018年10月27日に、記念すべきNBAデビューを飾りました。

初得点は、ファールドローからのフリースロー。

思い返すと、田臥勇太のNBA初得点もフリースローでしたね。

シーズンハイは、現地2019年2月27日のサンダー戦で記録した10得点です。

日本人NBA選手として、初めての2桁得点。

歴史を創り続けています。

 

4月6日のマブス戦では、ノビツキーをすり抜けた豪快なダンクも披露。

周りのNBA選手と比べても、ワタナビはサイズ・歩幅・スピードで見劣りせず、見ていて安心感があります。

 

2018-19シーズン、合計15試合に出場した渡邊雄太のスタッツがこちら。

11.6分出場 2.6得点 2.1リバウンド 0.5アシスト FG29.4% 3P12.5% FT70.0%

 

来季に向けた展望としては、まずシュート確率の向上が必須ですね。

出場時間が少ない分、リズムを掴むのが難しいとは思いますが、圧倒的な身体能力で魅せるタイプではないだけに、堅実なシューターとしての役割が強く求められます。

逆に、このサイズで40%近い3P確率を誇れるようになれば、かなりの貴重なプレイヤーとなれるはず。

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Gリーグ メンフィス・ハッスルでの活躍

日本メディアで大きく話題になるのは、NBA本戦に関するニュースのみですが、渡邊雄太の18-19シーズンを語る上では、やはりGリーグでの活躍も外せません。

このリーグでの活躍が、NBAヘの橋渡しとなる部分も大きいわけですからね。

出場時間が少なく、本来の持ち味を完璧に出し切れたとは言えないNBA本戦に比べて、33試合中32試合に先発出場し、平均で約34分間の出場時間を与えられたGリーグでは、伸び伸びとしたプレーを見せてくれていました。

20得点越えのゲームも複数。

日本人としては規格外のプレイヤーというのは、すぐにわかることです。

シーズンの試合を通してプレーに自信が宿っている雰囲気があり、よりアグレッシブになっていきました。

渡邊雄太の18-19シーズンのGリーグでのスタッツがこちら。

33.9分出場 14.2得点 7.2リバウンド 2.6アシスト 1.1ブロック FG43.6% 3P33.1% FT82.7%

相当立派です。Gリーグでは、シュートタッチもしっかり取れています。

このレベルの数字をNBAでも記録することは至難の技でしょうが、これを目標のラインとしてほしい。

いい意味で、渡邊がNBAの試合に出場していることへの新鮮味がなくなって欲しいんですよね。

出番が与えられることが割と当たり前のことになり、その上で渡邊のハイパフォーマンスを楽しみたい。

渡邊雄太と田臥勇太

2004年に日本人初のNBAプレイヤーとして歴史を切り拓いた田臥勇太。

今考えると、身長170cm台の日本人がこのリーグでプレーしていたというのは、やっぱりとんでもなくすごいことです。

当時スティーブ・ナッシュも在籍していたフェニックス・サンズで、田臥は4試合に出場しました。

当時のスタッツがこちら。

4.3分出場 1.8得点 1.0リバウンド 0.8アシスト FG16.7%

シュートを決めたのはデビュー戦での7得点のみで、その後3試合は無得点、そして突然の解雇、というNBAのシビアさを思い知らされた期間でもありました。

デビュー戦での感動は、今でも忘れないけど。

 

2way契約とは言え、NBAとGリーグを通して1シーズンをアメリカで戦い抜いた渡邊雄太は、すでにとてつもない偉業を成し遂げていると思います。

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日本のメディアにも多数出演中の渡邊雄太

日本人がNBAでプレーしていることの凄さを考えれば、やっぱり日本メディアの取り扱いが少ない気もしますが、渡邊は各方面への露出が続いています。

一般の日本人と同じ画面に収まることで、渡邊の異次元のスタイルに毎回驚かされる日々。

この渡邊が一般体型に見えるNBAって、やっぱり相当な異常リーグなんだなと。

 

昨年は来日したステフィン・カリーが参加したことでも話題になった、読売ジャイアンツの始球式も、渡邊が務めることになっています。

こういった選手の表舞台への露出が、日本でのバスケ流行を促進させることは間違いないですね。

来季NBA入り間違いなしの八村塁もいるし、東京五輪の頃には、結構すごいことになってそう。

NBAでの戦いが続く渡邊雄太

無事1シーズンを駆け抜けた時点で、18-19シーズンの渡邊雄太は素晴らしい結果を残したと言えると思います。

スキル面での修正点はあれど、まずは1シーズンを完結させた凄さを、素直に喜んでおくべき。

そして来季のNBAでは、さらなるパフォーマンスを見せてくれることに期待しておきます。

渡邊雄太のアメリカでの挑戦は、これからも続く。