絶賛チーム解体中のレイカーズが、ついにルーク・ウォルトンを解任しました。
マジックの電撃辞任から始まり、レイカーズのムーブメントは止まりません。
コービー引退後のレイカーズを3シーズン指揮してきたルークの、これまでのコーチとしての経歴を見ていきましょう。
ウォリアーズのアシスタントコーチとしてデビュー
メンフィス大学でのアシスタントコーチ、そしてNBA Dリーグでの選手育成コーチ担当を経て、2014-15シーズンからウォリアーズのアシスタントコーチとしてNBAでの指導者デビューを果たしたルーク。
僕が現役を引退したルークがコーチ業をスタートしていたことを認知したのは、この2014年でしたね。
そして14-15シーズンのウォリアーズといえば、ご存知の通りカリーが初優勝を果たした年です。
スティーブ・カーと共に、いきなり優勝を経験しちゃったルーク。
15-16シーズンにはHC代行として月間最優秀コーチ賞を獲得
そして、コーチとしてルークが大きく注目を浴びたのは、15-16シーズンでしたね。
スティーブ・カーが背中の手術のため開幕に間に合わず、このシーズンではしばらくルークがHCの代行を務めることになっていました。
このシーズンにはカリーの神がかり的パフォーマンスもあり、魔法にかかったような強さを見せていたウォリアーズは、開幕から24連勝という意味のわからない絶好調ぶり。
果たしてこの快挙のうち何%がルークの手腕によるものなのか、勘ぐるのは野暮でしょうが、当時のルークは代行HCとして結構高い評価を受けていましたよね。
内心はどうだったのかわかりませんが、冷静な佇まいでウォリアーズを指揮している感じに見えました。
Steph Curry & Luke Walton showing some love pic.twitter.com/slBJHBM9AK
— Steve Noah (@Steve_OS) 2016年11月5日
ルークは10-11月の月間最優秀コーチ賞を獲得し、復帰したカーとバトンタッチするまでの期間を39勝4敗という圧倒的な好戦績で終えました。
初HC経験がこれだけバラ色のものになる人は早々いない。
2016-17シーズンからレイカーズのHCに就任
15-16シーズン終了までウォリアーズのアシスタントコーチを務め、その後ロサンゼルス・レイカーズのHCに就任したと。
コービー・ブライアントが引退し、完全にレイカーズの新時代が始まる中での思い切った人選でした。
選手として9シーズンをレイカーズで過ごしたルークは、HCとしてロサンゼルスに帰ってくることに。
現役時代には、チームメイトだったコービーにも「お前は選手よりもコーチの方が向いてる」と普通にヒドいことを言われてたりしました。
ルーク就任の年から、解任までのレイカーズの戦績は以下の通りです。
シーズン | 戦績 |
2016-17 | 26勝56敗 |
2017-18 | 35勝47敗 |
2018-19 | 37勝45敗 |
ルーク就任前年の2015-16シーズンは、コービーの引退試合での60得点などによって美化されやすい期間でしたが、実際は17勝65敗という絶望的なチーム成績でした。
深い底まで落ちきっていたレイカーズは、ルークが指揮した3年間で右肩上がりを続けています。
3年目の18-19シーズンは、もっと大きく勝ち星を増やすだろうとは期待してたけど。
レブロン・ジェームズがルークを援護するコメント
優勝は難しくとも、少なくともプレーオフには進出できるだろうと思っていた18-19シーズン、この不調の一番の原因が誰にあるのかを突き止めるのは難しいところ。
ルーク1人が責任を負う問題でないことは確かですね。
レイカーズにどんなバスケをやらせたいのかわからない場面は多々あったけど、戦術が機能しなかったことが全てルークのせいだとは言い難い。
ルークがHCを解任される前、レブロンは今季のレイカーズ選手の健康状態についても言及し、ルークを援護するコメントを残しています。
要約をどうぞ。
彼はできる限りのことをやってくれたよ。
誰もこれだけの欠場者が出るとは予想していなかっただろう。
僕、イングラム、ロンゾ、クズマは23試合しか一緒にプレーしていないんだ。
そして、その期間は15勝8敗だった。
ディフェンスのレーティングはリーグ4位だったし、オフェンスも7位だった。23試合の間はね。
ロスターに一貫性がない状態では、ルークもチームに何が起こっているのかを知ることができないよ。
レブロンのいう通り、欠場者が多発したことも今季のレイカーズが思うように勝てなかった原因の一つですね。
ロスターが目まぐるしく変わってしまっていては、ルークも不調の要因を分析しようがないと。
レイカーズが多数の故障離脱者を抱えることなくシーズンを終えていたら、どれだけの結果になっていたかは気になるところです。
まだ「名コーチ」と呼べるほどの手腕がないとは言え、万全の状態でないレイカーズを率いるしかなかった今季のチーム状況は、ルークにとって不運ではありました。
ルークはサクラメント・キングスのHCに就任
ルークのレイカーズ解任ニュースからすぐに入ってきた情報でした。
ルークは、来季からサクラメント・キングスのHCに就任すると。
ルークがすんなりとレイカーズのHCから降りることを承認したのは、解任前からすでにキングス側からの交渉があったからではないか、とも言われていますね。
つまりは、ルークの過去3シーズンでの指揮ぶりの中には、少なくともキングスに好印象を与える部分があったということですね。
結構驚きました。
解任されたとしたらどこかのチームでACを務めることにでもなるのかな、と思っていたし、これは素直におめでとうと言いたい。
ルークは、レイカーズの暗黒期と、ついに羽ばたき始める(はずの)期間の、ちょうど間の部分の指揮を取ってくれました。
将来レイカーズが成功したとして、後から振り返ってみるとルークはそれほど記憶に残る人物ではないかもしれないけど、実は土台を支える存在として不可欠だった、と思わせる役どころ。
レイカーズファンとして、何かと大変だったこのチームを3年間率いてくれてありがとう、そして新天地のキングスでも頑張ってくれ、と言ってお別れすることにします。