ポールピアースが燃えてますね。
良くない方の意味で。
今ウェイドに関するネタは、ヒートがプレーオフに進出してウェイドの引退が伸びるかどうかよりも、「ドウェイン・ウェイドとポール・ピアースはどちらが上か?」という話題の方が上回っている気がします。
そもそもなぜウェイドとピアースが比較される状況が生まれたのか。
ポール・ピアースがドウェイン・ウェイドより優れていると発言
要は、ピアースが「ウェイドとあなたはどちらが優れたプレイヤーか」と問われ、自分を選んだ、という話です。
僕はこの情報を第三者経由で知ったので、ピアースが発言した動画をしばらく見ずにいたんですが。
なるほど、確かに映像を観るとこの「格上発言」はだいぶ印象が変わりますね。
Paul Pierce says he had a better career than Dwyane Wade 👀 pic.twitter.com/8Q6AbYNxe1
— NBA Central (@TheNBACentral) 2019年4月6日
「NBA選手として優れているのはどちら?」の質問が終わると直後に、「そんなの簡単だ!」と切り出して「自分」を売り込みに行きました。
そんなの俺に決まっているだろう、というようなテンションで。
「俺が24,5歳の頃にシャックやレブロン、ボッシュと組めていれば、5,6回は優勝できているよ」
ピアースの名誉のために付け加えておくと、あくまでこれは突然ピアースがウェイドより格上だと発言し始めたのではなく、番組の構成が二人を比較する流れだったということです。
この発言の前にも、ウェイドとピアースの個人成績を比べる画像が紹介されていました。
ドウェイン・ウェイドとポール・ピアースを比較
このピアースの発言にはかなりの反響がありました。
そして、二人の格上論争については、多く見積もってもピアース派は1割くらいで、ウェイド派が9割じゃないですかね。実際ピアース派はもっと少ないかも。
自分も迷わずウェイドに1票を入れますが、ウェイドがピアースに比べて“MUCH better”とまでは思っていません。
ちょっとさっきの動画だと感じが悪かったけど、ピアースも間違いなく実力者で、間違いなくレジェンドです。
二人の個人成績を比較してみましょう。
Twitterから引用していきます。
Paul Pierce vs. Dwyane Wade.
Who had the better career? pic.twitter.com/rckV4yfvdb
— SportsCenter (@SportsCenter) 2019年4月6日
Pierce and Wade had similar stats at their peaks. Even if Wade is better, Pierce should not be disrespected. pic.twitter.com/Ef6L2PoN2w
— Ball Don’t Stop (@balldontstop) 2019年4月6日
お互いのピーク時を比較してみると、「ピアース:ウェイド=1:9」となるほどには差がついているわけではないんですよね。
ただ、これはあくまで数字の話です。
数字上ではどれだけレブロンが圧倒していても、それでもコービーの方が上だと主張する人がいるのと同じように、バスケ選手を品定めするときには、数字だけじゃ測れない「何か」も含まれますよね。
バスケットは算数じゃねえ、って誰かも言ってたし。
それで言うと、僕にとってのポール・ピアースという選手は、「泥臭い仕事人」という印象でした。
動きの一つ一つのシルエットに綺麗さを感じることはないけど、トラッシュトークやファンへの煽りがもはや名物で、さらに要所のクラッチショットを沈めるプロフェッショナルみたいな。
ピアースのそういうところがカッコいいと思っていたし、今彼の現役時代の彼のプレーを思い起こすと、どことなく哀愁が漂うような、古き良き時代の選手という感じ。
一方でドウェイン・ウェイドは、スーパースターの資質を持って生まれた選手だと思うんですよね。
個人的に、動きの美しさで言えばジョーダンやコービーに次ぐレベルのものを持っていると感じているし、特に「魅せる」能力に関してはピアースと圧倒的な差があります。
ストレートに言ってまうと、ウェイドとピアースでは選手としての「品格」に差があるイメージです。
ピアースの人気はそこがセールスポイントになっていたわけではないから、別にその点がピアースの短所だと言うつもりはないんですけど。
なので直感でイメージしたときに、多くの人がウェイドの方がピアースよりも優れた選手だと認識することになるんじゃないですかね。
つまりは違うタイプの選手とも言えるので、二人を比較すること自体が本来ナンセンスだったと思うんですけどね。
今回のピアース出演番組ではそういう流れになってしまっていたから仕方ない。
ドウェイン・ウェイド vs ポール・ピアース
ピアースの発言を受けて、NBAハイライト職人のFreeDawkinsが早速動いています。
どちらか一方が偏った活躍をした試合ではなく、二人のガチ対決ハイライトを作成してくるろが流石。
ウェイドの圧倒的バスケセンスと、ピアースのタフショットの精度が目立つ試合です。
ウェイドはこの前年のシーズンに平均30.2得点で初の得点王に輝いており、この頃が絶頂期と言えるでしょう。
引退間近の今のウェイドを見てもアスレチック能力は高いなと思うもんですけど、やっぱりこの頃の”FLASH”のカッコよさは別格ですね。まさにスピードスター。
しかし結果はピアースのブザービーターによってセルティックスの勝利。
シリーズはこれでセルティックスの3勝0敗となっており、根本的にチーム力の差がありました。
ただ、ピアースの勝負強さは流石ですね。このハイライト動画を見ることで、ウェイドよりもピアース派に移る人もいるんだろうか。
僕のウェイド推しは揺るがないですけど。
ウェイドのコメント
かなりの反響を呼んだピアースの発言の情報は、ウェイドの耳にまで届いるようです。
I haven’t been perfect and i never will be but it doesn’t mean i won’t keep trying to become a better person. I’m thankful on this day to everyone who has caught me when I’ve failed and everyone who has loved me thru my imperfections. BTW nothing’s wrong I’m just thankful!
— DWade (@DwyaneWade) 2019年4月6日
「自分は完璧な人間じゃないし、これからも完璧になれることはないだろう。ただ、それはより良い人間になる努力をしないということではないけどね。失敗をしてきた僕を援護してくれて、完璧じゃない僕を愛してくれたみんなに感謝しているよ。何も悪いことはない。ただ感謝だ!」
ウェイドはこれよりも前からピアースの発言に関するファンのコメントに対して反応を見せてましたが、このツイートが無益な論争に終止符を打つきっかけになるんじゃないですかね。
この論争に関しては、ウェイドの息子であるザイール・ウェイドもインスタグラムでコメントを残しています。
なかなか痛快だったので、このコメントの和訳を締めに使うことにしましょう。
Zaire not tolerating any disrespect to his dad’s legacy pic.twitter.com/prMMDRcxgd
— Bleacher Report (@BleacherReport) 2019年4月6日
このことは聞きたくないよ。
彼(ピアース)は19年間プレーして優勝したのは1回だけだ。
言うまでもなく、僕らは彼らをプレーオフでノックアウトしただろう?
これこそが、”真実”さ。
お分かりの通り、かつてプレーオフでセルティックスをノックアウトしたのはレブロン・ウェイド・ボッシュ率いるマイアミ・ヒートです。
そして、ピアースのニックネーム”TRUTH”にかけた皮肉をつけ合わせるのも忘れない17歳のザイール君。やるじゃない。
確かに今回のピアースの発言は、TRUTHじゃないと思う人がほとんどだったでしょうね。