2017年にドラフト1位指名で76ers入団したマーケル・フルツは、今後を期待される逸材です。
昨季は肩の怪我により14試合の出場に収まりましたが、今季は全16試合に出場し、うち15試合でスタメンを務めています。
この調子でドラフトトップ指名らしい活躍を見せて欲しいところですが、今の所フルツが最も話題を集めているのは、『奇妙なフリースローフォーム』についてです。
イップス疑惑のあるフリースロー
イップスというのは外野から噂されていることであって、本人が公言しているわけではありません。
しかし、こういうようなフリースローを見てしまうと。
2投目のFTに注目ですね。
ダブルクラッチフリースローとして話題になっているものです。
これは「フォームが特徴的」とだけで表現するには余りあるものだと思います。
もう慣れてしまいましたが、成功した1本目のFTフォームもやっぱりだいぶ違和感。
「玉離れの悪さ」がイップスを疑われる所以だと思いますが、さらにこの場面では1投目から2投目にかけてフォームが悪化しているんですよね。
これを見ると、技術的というよりはやはり「精神的な問題」を抱えているのかなと思ってしまう。
ちなみに、フルツはこの時のシュートに関して「手が滑っただけ」としています。
NBA入団後のフルツのFT確率は、
昨季47.6%
今季57.6%
とかなり低迷中。
SGの数字としては、あまりにも低い数字ですね。
昨季のFT確率は、現時点でのカリーの3P%以下となっています。
学生時代のFTフォーム
参考資料として、フルツの学生時代のFT映像を載せておきます。
ボールを最上部まで持ち上げる時のモーションには似通った部分がありますが、今とは比べものにならないほどのスムーズさですね。
フォームが変わったのではなく、ベースは同じながらもそこに滞りが生まれてしまった感じ。
ちなみに大学時代もフルツはFT確率が64.9%となっており、この当時から決して得意とはしていませんでした。
その他のプレーは1流
面白いのは、フルツはその他のプレーを全くもって普通にこなしていることです。
フリースローを除けば、フルツのバスケは健常者そのもの。
時計が動いている時のプレーを少しみれば、フルツが抜群のバスケセンスを持っていることをすぐに理解できますね。
近い距離ではあるけど、ジャンプショットも違和感ないフォームで決められているし。
シモンズやエンビード、さらにはバトラーまで加入した76ersにおいては、得点を狙う頻度そのものが少なくなるかもしれませんが、現在8.9点の平均得点も倍以上に伸ばせるポテンシャルがあると思います。
克服してほしいFT問題
スーパー余談ですが、過去に僕はレイアップのステップを絶対に「左」→「右」の順番でしか踏めなくなってしまったことがありました。
厳しかったミニバスのコーチに何度も注意されるんですが、むしろ言われれば言われるほど暗示にかかったように左からしか踏み出せなくなっていました。
その他のプレーは普通にできるんだけど、レイアップのステップだけは勘弁!みたいな。
これはイップスとは少し違うのかもしれないけど、こういう自分でもコントロールできない体の動きというのは、やはり精神的な問題から起きるんだろうと思います。
今の「フルツといえばFT」みたいな風潮を終わらせて、フルツのプレースタイルそのものが話題の中心になってほしいですね。
そのためにも、フルツにはスパッと爽快にFTを決める選手になってもらいたい。