ほんの短期間限定の姿だったのに、ファンには強く印象に残っている、フェイスマスクを着用したコービー・ブライアント。
僕がコービーのキャリア総集編ハイライト動画を作るとしたら、このマスク・マンバのプレーも絶対に含めますね。
当時のコービー・ブライアントの姿は、定期的に回顧したくなります。
“Masked Mamba”
マスク・マンバの姿を拝む事ができたのは、2011-12シーズンのオールスターウィークエンド後11試合です。
そもそも、何故にフェイスマスクをつける事になったのかと言うと。
この2012年のオールスターで、ウェイドのハードファウルによって鼻を負傷してしまいました。
謝る様子もなく、これだけを見るとウェイドがヒドいですが、この時のオールスターではコービーもマッチアップ相手のウェイドに対して相当タフなアタりを見せていました。
コービーのオールスターでの本気っぷりは毎度のことでしたね。
皆がお祭りムードで脱力気味になるオールスターでも、一人ガチなパフォーマンスを貫くコービーだから得られた名誉の傷だとフォローしておきます。
サイコパス的かっこよさ
まず、フェイスマスク関係ナシに、アキレス腱断裂前のコービーのプレーの芸術性は天下一品です。
キャリア晩年でも動きの綺麗さは健在でしたが、この当時のコービーにはさらに運動神経も備わっています。
2011-12シーズンでのコービーは33歳という年齢ながら、スピードプレーとダンクは健在で、リーグ全体のハイライト動画にも度々登場していました。
加えて、このマスク・マンバには「表情が読めない」怖さがあります。
クラッチプレーや豪快なダンクを決めた後には感情をむき出しにすることが多かったコービーも、この11試合の間だけは顔がマスクに包まれたことにより、表情から感情を読み取ることが難しかったのです。
これにより、静かに しかし激しくリングを襲う冷血動物が誕生。
11試合の中から、20個のプレーを厳選した動画がありました。
コワかっこいいとはこのこと。
動画2分3秒あたりでの、1対2のシチュエーションからのバスカンダンク。マスクを取り外し、空虚な表情が露わになったシーンはガクブルものです。
マスク・マンバの活躍により、このシーズンで優勝を達成することになるマイアミ・ヒートをも葬っています。
この試合は結構有名。
11試合の中で、30得点オーバー7回、最高38得点、平均29.5得点。
このシーズンの平均は27.9得点だったので、シュート確率は若干低下(シーズン:FG43.0%→11試合:41.4%)しましたが、負傷中にもかかわらずパフォーマンスは高水準をキープしたと言えます。
コービーファンにとっては印象深い期間でしたね。
マスクはチャリティオークションに出品
その後、コービーはチャリティ目的でこのマスクをオークションに出品しました。
最終落札価格は、なんと約745万円。
このマスク着用期間中に、コービーは通算29000得点も達成しており、確かにマニアとしてはたまらない一品です。
「異常性」こそコービーの魅力
やっぱり、マスク・マンバ最大の魅力はどことなく漂うサイコパス感だと考えます。
コービーからすれば鼻を怪我したからマスクを着けただけだし、ただのマニアによる深読みが、魅力を勝手に底上げしているのは否めませんが。笑
マット・バーンズの超至近距離からの挑発にノーリアクションだった時も同じ類の感情を抱きましたが、こういった「異常さ」もコービーに惹かれる理由の一つなんですよね。
普通の「かっこよさ」だけでは終わらないのが、コービー・ブライアント。