かねてよりフィリピン代表入りを熱望していたジョーダン・クラークソン。
母親がフィリピン人であり、クラークソンはアメリカとフィリピン両国の市民権を持っています。
これまではフィリピン代表への参加が認められていませんでしたが、遂にNBAからアジア大会参加の許可が下りました。
フィリピン代表デビュー
日本では、代表選手が不祥事を起こしたことが一番の話題となってしまった第18回アジア競技大会バスケ部門。この大会が、クラークソンにとってフィリピン代表デビューの舞台となりました。
フィリピンの他にカザフスタン・中国という顔ぶれのグループDにおいて、フィリピンはクラークソン合流前の時点で初戦のカザフスタンに勝利していた状態。
中国戦
クラークソンにとって念願の代表デビューは、大会優勝候補の中国戦でした。
ハイライト動画を貼っておきます。
普段それほどクラークソンに興味がない方も、「そこそこ名の知れたNBA選手がアジアでプレーするとどうなるのか」という一例としてご覧ください。
現時点で決勝まで進出しており、おそらく優勝すると見られる中国をあと一歩のところまで追い詰めました。2点差というのは、この大会でここまで全勝している中国の最少得失点差です。
これだけ善戦できたのは、やはりクラークソン個人の力が大きい。3Qでの16得点を含む、合計28得点の大活躍でした。
韓国戦
Dグループ2位で決勝トーナメントに進出したフィリピンは、準々決勝で韓国と対戦。
初勝利が欲しいクラークソン。
第3Q爆発の法則が再度発動し、2試合連続で25得点オーバー。この中に混ざると、運動能力の差が目立ちますね。初動のスピードが圧倒的すぎる。
しかし残念ながらチームは敗れ、5〜8位の順位決定戦に回ります。
日本戦
できればフィリピンが3位以内に入ってクラークソンにいい思いをしてもらいたかったけど、ここまでの試合結果によって「フィリピンvs日本」の対戦カードが実現することになりました。
レイカーズ在籍時代には特に応援していたクラークソンが日本代表と戦うなんて、中々に夢心地な想いです。
キャブズでだったら「強引に突っ込みすぎだ」と叩かれてしまうプレーでも、最後まで決め切れることができるこの大会ではオールOK。
スピードやら身体の強靭さやらが段違いで、日本代表ディフェンスではガード不可です。日本としては、ロスターが8人しかいないということで体力的にもキツかったはず。
フィリピンにとってはイージーゲームでした。クラークソンの代表戦初白星は、日本から勝ち取ったことに。
最終スコアでは113-80の大差がつき、フィリピンは5位決定戦へ。
シリア戦
最終戦では109-55のワンサイドゲームとなり、フィリピンが5位の座をつかみました。
無双したクラークソンは29得点6アシスト4リバウンドの活躍でした。ボスハンドのアリウープダンクでは大いに会場を沸かせています。
よりスキルフルな選手はいるとしても、ここまでの運動能力を誇る選手をアジア大会で観れることはそうないはずです。クラークソン目当てで大会観戦に行くのも全然アリ。
個人能力の差を見せつけたクラークソンの4試合分のスタッツは、26得点 6.5リバウンド 5.5アシスト 1.0スティールでした。
NBA選手がアジアでプレーすると、こうなります。
「この経験を決して忘れない」
5位という順位での大会終了は素直に喜べるものではないと思いますが、クラークソンはフィリピンの代表としてプレーできたことそのものに幸福感を得ているようです。
クラークソンがインスタグラムに投稿したテキストを和訳します。
「国と人々を代表してプレーできたこの喜びを決して忘れない。コーチのためにプレーし、チームメイトとの絆を深めていくのは最高だ。この機会を与えてくれたこと、サポートしてくれたことに感謝しているよ。もっとやりたい!次にプレーする機会が待ちきれない!」
母国のためにプレーし、クラークソンにとって最高のオフシーズンとなったでしょう。能力の高さも見せつけました。
来季、キャブズでも爪痕を残せるか。