ウルブズが1stラウンドで敗退したことにより、デリック・ローズの17‐18シーズンが終了しました。
今季は、ローズにとって、そしてローズファンにとっても激動のシーズンになりましたね。開幕前にキャブズ入りが確定した時点では、まさかローズ一人にここまで感情を振り回されることになるとは思ってもみませんでした。笑
今季最も話題を振りまいた一人とも言える、デリック・ローズの17‐18シーズンを時系列順にまとめていきます。
キャブズへの電撃加入
昨季はニックスに在籍し、18.0得点4.4アシストというまずまずのスタッツを残したローズ。ここからまたエリート選手として這い上がるのか、それともロールプレイヤー的立ち位置にまわるのか。その答えが今季に託されていた感じ。
17–18シーズン開幕前に、クリーブランド・キャバリアーズとの契約が成立して世間を賑わせました。ベテランミニマム契約という扱いの低さが気になりもしましたが、優勝を狙えるチームに行けたのは喜ばしいことでした。
レブロンもローズの加入にはかなり興奮していました。レブロンがヒートに在籍していたころ、二人は同じカンファレンス内でのライバル関係にありましたね。古き良き時代です。
おなじみのプレースタイル
アイザイア・トーマスが欠場していたということもあり、開幕からの7試合はスタメンとしてプレー。
相変わらず、得点源はインサイドでのプレーでした。スピードを生かしたローズらしいカットインプレーでも、まだまだ点を稼げますね。
シーズンハイは、現地11月3日に行われたウィザーズとの試合での20得点。これが、今季唯一の20点越えです。
悪夢の怪我とキャブズからの離脱
全盛期に比べれば運動能力が衰えた今でも、ゴール下までガンガン潜り込んでいってくれるのは嬉しい。これこそがローズの真骨頂です。
しかし、ディフェンスとのボディコンタクトが多かったり、不安定な着地になってしまう持ち前のレイアップを見るたびにヒヤヒヤしてしまうのも事実です。もう一度怪我をしたら、いよいよローズは完全に壊れてしまうのではないか、という想いがあるので。
そんな中、ローズが膝の怪我を再発させてしまいます。僅か7試合しか出場していない状況で、長期間の離脱を余儀なくされました。ほんっっとうに残念なニュースでしたよね。
その後、ローズは「個人的な問題」を抱えているとして、キャブズを離脱しました。この間、ローズ本人の明言はありませんでしたが、キャリアを通しての相次ぐ怪我に、精神的に疲弊してしまっているとの報道。
かつてのMVP、そしてまだ30歳手前の選手が怪我によってこれだけ苦しまされてきたんですから、胸中お察しします、としか言いようがない。
今回は、無断で失踪した昨季とは違い、キャブズに連絡は入れていたということだったから、少しの安心感はありました。しかし、ローズファンとしてはやるせない期間でしたね。
この間には、ローズはこのまま引退してしまうのではないか、という報道が話題になる始末。⇒デリック・ローズ引退検討ってマジですか
復帰とベンチスタート
引退報道が過熱していた中、念願の復帰を果たしたローズ。これが、実に2ケ月ぶり(11月7日~1月18日)のコートインでした。ローズファンをやっていると、ここまで一喜一憂しなくちゃいけないのね。
ここからは、トーマスが復帰していたということもあって、ベンチスタートの役割を受け入れることになったローズ。この前の時点で、ローズはベンチスタートをキャリアで1度しか経験したことがありませんでした。
昨季には平均20得点弱をしていた選手が、ここまでのポジションに成り下がってしまうのか、と思いつつも、とにかく引退せずにまたプレーしてくれて嬉しいという気持ちもあり。ごちゃまぜフィーリングでした。
ローズ自身は、エゴを出さずに2ndユニットとしての役割を受け入れていた模様です。
祝・結婚
長期離脱していた「個人的な理由」が結婚であったことが、2月の初めに判明しました。
Derrrick Rose Secretly Got Married During his Personal Leave of Absence https://t.co/UzthP2ghWV pic.twitter.com/OOrfyXOckL
— Terez Owens (@TerezOwens) 2018年2月1日
なんだよ、結婚だったんかい!とは思わないですよね。コート上ではポジティブなことがあまりにも少ない昨今ですから、プレイベートでハッピーなことがあってよかった。ファンとしても嬉しいニュースでした。
大型トレードが実現
大型トレードだなんて言えば聞こえがいいですが、少なくともローズにとっては喜ばしくない出来事でした。
シーズン中に起きたトレードの中では最も大規模。キャブズはローズの他にもアイザイア・トーマスらを放出し、大規模なチーム解体を行ったのです。
結局、キャブズでは16試合のみの出場で、9.8得点 1.8リバウンド 1.6アシストというスタッツに落ち込みました。開幕前の期待を大幅に下回るパフォーマンスです。
キャブズを退団したローズはユタ・ジャズに漂流しました。移籍先、というよりも「引き取り先」という表現が正しそうな気がしますね。予想されていた通り、ジャズでは即解雇をくらい、しばらくプレーするチームがなくなるという屈辱を味わいました。
もちろん、「解雇」というのはローズにとってキャリア初の経験です。
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ウルブズへ!
ジャズに解雇されてから、ローズの下に届いたのは10日間契約の提案のみだったそうです。シーズン開幕前、誰がローズのこんな状況を想像できたか…。
そんなローズに救いの手を差し伸べたのが、ミネソタ・ティンバーウルブズでした。HCはブルズ時代の恩師であるジボドーで、ジミー・バトラーやタージ・ギブソンらブルズ時代の旧友も在籍しています。ローズのウルブズ入団には大きな意味があるわけです。
2015年のオフ、当時ブルズに在籍していたローズ達は、解任の噂が立っていたジボドーHCに対し、続投希望の意を表明していました。結果的にジボドーは解任され、のちにローズもチームを去るわけですが、このような形で再開を果たすことになりました。よかったよかった。
ウルブズには、ローズの全盛期を一番近くで目撃していたメンツがそろっているのです。
正直言って開幕前には、ローズがもう一度MVPレベルにまで復活してくれることを望んでいました。でもこの時期には、もう健康にプレーしてくれてさえいればいいと思うようになってましたね。
健康面を考えても、限られた出場時間の中で起爆剤として活躍する役割が、ローズには合っているのかもしれません。人間界に、ローズの圧倒的なアスレチックムーブに長期間耐えれる身体構造は存在しないので。
現地3月11日がウルブズでのデビュー戦となり、その後レギュラーシーズンでは9試合に出場しました。12.4分出場 5.8得点 0.7リバウンド 1.2アシストというスタッツを記録。
シーズン終盤戦での、ローズのマジカルパスからの、バトラーとの談笑が素敵なシークエンスでした。
特に、ブルズ時代からこのコンビのファンにとってはたまらない場面だったんじゃないですかね。
プレーオフでの活躍!
レギュラーシーズンで肩慣らしが済み、ここからが本番のプレーオフです。
まず熾烈なプレーオフ進出争いがあったわけですが、ウルブズはなんとかウエスト8位で確定。「ウルブズがプレーオフ進出=ローズをもっと見れる」なわけだから、この時期は普段まったく注目していないウルブズの勝敗が気がかりでした。
初戦の相手は今季のベストチームであるロケッツということで、勝ち進むことはかなり困難。それでも、久しぶりのプレーオフの舞台でローズは輝きを見せたのです。
このシリーズでの個人ハイライトを載せておきましょう。
前評判通り、ロケッツの勝利でシリーズは終了しましたが、そんなことは気になりません。この5試合には、ローズのローズらしさがギュッと凝縮されています。慢性のローズ欠乏症はすっきり解消されました。
各ゲームでのスタッツを。
ゲーム1 | 24分出場 16得点 2リバウンド 4アシスト |
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ゲーム2 | 17分出場 9得点 1リバウンド 1アシスト |
ゲーム3 | 21分出場 17得点 2リバウンド 2アシスト |
ゲーム4 | 32分出場 17得点 6リバウンド 4アシスト |
ゲーム5 | 24分出場 12得点 0リバウンド 2アシスト |
シリーズ平均 | 24分出場 14.2得点 1.8リバウンド 2.6アシスト |
出場時間にも注目ですね。少ない出番の中で、しっかりと数字を残しています。一矢報いた第3戦でも、ローズの活躍が不可欠でした。チームの戦力として躍動するローズを見るとができて幸せでしたね。
ちなみにこのローズのスタッツは、スタメンとして出場していたジェフ・ティーグを凌ぐものになっています。来季もチームに残留することに希望がもてるし、もしかしたらスタメンに抜擢されるなんてことも。
来季のローズはいかに
いろいろありましたが、最終的には「無事」シーズンを終えたという感じでしょうか。プレーオフでの活躍のおかげで、後味はかなりいい。来季への希望が灯りました。
2018-19シーズンを迎えるころには、ローズは30歳になっています。ちなみに、学年的にローズはステフィン・カリーの一個下なんです。そう考えれば、ローズはまだ全然やれる。
まず第一優先はローズの健康。とにかく、ローズがコートに立ち続けていることが大事です。そして、徐々に欲を出して、ローズのパフォーマンスにも期待していくスタンスで行こうっと。
来季のビンテージ・ローズに期待しましょう。