アレン・アイバーソン

アレンアイバーソンのグリズリーズ時代とは何だったのか

サムネイル画像: OktayOe by CC PHOTO

アイバーソンの現役時代を回顧するときには、76ersのユニフォームを着ているイメージがほとんど。

76ersの後にはナゲッツに移籍してカーメロとバックコートタッグを組み、その後はチャウンシー・ビラップスとトレードでピストンズに移籍。

ここまでの印象は割と鮮明にあるんだけど、ピストンズの後にグリズリーズに移籍した頃のアイバーソンのトピックが挙がることはあんまりないですよね。

グリズリーズでの滞在期間がとても短く、その後古巣の76ersに電撃復帰したから、印象が薄れてるんだろうと思います。

当時のNBAをリアルタイムで観ておらず、伝説としてしかアイバーソンを知らない人は、グリズリーズ在籍期間があったこと自体驚きなのでは。

今回は、あまり知られていない”THE ANSWER”のグリズリーズ時代周辺を好きに語ってみます。

76ers退団後のアイバーソン

アイバーソン個人の活躍は抜群ながら、2000年にNBA FINALに出場してからは、76ersは優勝とは程遠いポジションにいました。

チームに不満を募らせた(と報道されていた)アイバーソンは、2005-06シーズンの途中にデンバー・ナゲッツに移籍。

このシーズン、移籍前には31.2得点を記録していたアイバーソン。

移籍が決定した当時は、NBA界に大激震が走っていましたね。脈絡なく突然決まったことでもあったので。

ダンクシュートもHOOPも、移籍直後の号はナゲッツのユニフォームをきたアイバーソンが表紙になっていたと記憶しています。

こちらは、平均26.4得点を記録した2007‐08シーズンの、因縁のコービー率いるレイカーズとの対戦動画。シーズンハイの51得点を記録しました。

アイバ―ソン個人の活躍はまだ一流でしたが、チームを勝利に導くことができず、33歳になった2008-09シーズンにはピストンズに移籍。

このあたりで、アイバーソンの選手としての価値は相当下がってしまったように思えます。

引き換えにピストンズからはチャウンシー・ビラップスがナゲッツに移籍しましたが、依然アイバーソンの人気は圧倒的で、メディアはアイバーソンのことばかりを取り上げていました。

最近のNBAで言うなら、カイリー・アービングとアイザイア・トーマスの移籍と同じような感じ。アービングのキャブズ退団ばかりが報じられていて、トーマスが不憫でしたよね。

しかし、ピストンズにマッチできなかったアイバーソンに対し、ナゲッツはビラップス効果でアイバーソン在籍時よりも大きくチーム力を上げたというサイドストーリーがありました。

これまではワガママっぷりが全面に出ていても、圧倒的な個人能力で批判の声を相殺していたアイバーソンも、大した個人成績を上げられない(平均17.4得点・FG41.6%)+チームの勝利に貢献できない という状況下で、だんだんと居場所がなくなってきてしまった感じ。

当時ピストンズに在籍していたリチャード・ハミルトンらチームメイトたちも、アイバーソンの唯我独尊っぷりに不満を募らせていると報道されていて、これを聴いた時にはアイバーソンブランドの転落っぷりになんとも切ない気分になったりもしました。

それでも、コート上でのアイバーソンのプレーはやっぱり魅力的だった。

しかし、チーム方針からシーズン後半にはまさかのベンチスタートを告げられます。

ここで、アイバーソンは公の場で

「ベンチスタートするくらいなら引退する方がマシ」

と言ってしまうのです。

当時のチーム貢献度からすれば、控え枠に収まるのが打倒だという意見が大多数。

ここで、2ndユニットとしての役割を受け入れずに、我を通し切ったことが、アイバーソンにとっての大きなキャリア分岐点になったと思っています。

チームにとっての厄介者ぐらいのポジションに転落してしまったアイバーソンは、シーズン中にチームを離脱し、後にピストンズを退団。

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“神がメンフィスを選んだ”

はい、ここまで来てやっと本題です。

76ersを退団する噂が立っていた時には、アイバーソン獲得希望チームは数多でしたが、ピストンズ退団後の、ベンチスタートを受け入れられない個人能力の低下した34歳をロスターに置きたいチームはまったく存在しないという状況でした。

しかししかし、2009‐10シーズン開幕前に、メンフィス・グリズリーズとの契約がなんとか成立。

この移籍について、

「神が俺の現役を続ける場所としてメンフィスを選んだ」

とアイバーソン。

この当時でさえもアイバーソンの人気には凄いものがあり、観客動員数で低迷していたグリズリーズは集客の目的としてもアイバーソン獲得に興味を持ったと報じられていました。

何はともあれ、引退せずにまたAIのプレーを見れてよかったという当時のファンの心境。

グリズリーズ時代のハイライトは、全試合貼っておきましょう。

何しろ、3試合分しかないので。

vsキングス戦

vsウォリアーズ戦 

vsレイカーズ戦 

ご覧いただければ分かるように、3試合ともベンチスタートです。

元スーパースターのアイバーソンさんは、ここでも2ndユニットでいることの不快感を露わにしてしまいます。

3試合を消化後、「個人的な理由」でチームを離脱し、シーズンが開幕して間もない11月の半ばにグリズリーズがアイバーソンの退団を発表しました。

こうして、まさに「特に何もなく」、アイバーソンのグリズリーズでのキャリアは終了しました。

3試合でのスタッツは、

22.3分出場 12.3得点 3.7アシスト 1.3リバウンド FG57.7% 2.3ターンオーバー

「この数字でスタメンのポジションを欲するのか」

と考えるか、

「いやいやアイバさんなら、スタメンになって出場時間が増えれば一流のスタッツを記録できるんだ」

とあくまでアイバーソン愛を貫くかのどちらかですね。

我を貫いてこそ、僕らの好きなアイバーソン

グリズリーズ退団後は、古巣の76ersに電撃復帰を果たしました。

正直、その76ers再加入後にもいろいろとあったのだけれど、アイバーソンの現役が終わった今振り返ってみる分には、最後に76ersに戻ってこれたのは美しいストーリー、かな。

その後はトルコリーグでほんの少しプレー。

引退を正式に発表するまではNBAへの復帰を切望していましたが、獲得に乗り出すチームは現れず。

高年齢に加えて、自分本位なアイバーソンの性格がネックになっていたことは間違いないと思います。

公の場でベンチプレイヤーを受け入れられないと発言したときには、自分の現在の実力をわきまえた方がいいだろうとも思ったもんですが、今はちょっと考え方が変わりました。

持ち前のクイックネスと得点能力が衰え、どう考えたってもう第一線で活躍できる選手じゃなくなった中でも、「俺がスーパースターだ」と考えられるメンタルだったからこそ、アイバーソンはアイバーソンだったのだと思うんですよ。

もしも、「もう俺は衰えたから、若いやつらに主役は譲るよ」と簡単に言ってしまうような選手だったのだとしたら(最後の76ers時代には若干その気もありましたが)、ルーキーイヤーにマイケル・ジョーダンに1on1を挑んでいったようなアイバーソンも同時にいなくなってしまうんだろうと。

つまり何を言いたいのかというと、グリズリーズ時代を含めた、キャリア終盤のアイバーソンの身の程知らずとも取れるスタンスは、キャリア終焉を決定づけた黒歴史などではなく、

「アイバーソンは最後までアイバーソンだった」

と言えるものだったということです。

アイバーソンの活躍をリアルタイムで楽しめていた自分は本当に幸せだったし、これからもかつてのハイライト動画を通して”THE ANSWER”の世界を味わっていきたい。