大好きなNBAを観て、さらに英語まで詳しくなれたとしたら、こんなに素晴らしいことはないですよね。
そして、勉強は楽しみながらやった方が吸収がいいというのもよく知られている話。
僕はTOEICで885点のスコアを持っているんですが、普段からNBAの英語記事を読んだり、選手のインタビュー動画を観たりしていることが、英語上達の一つの理由になっていることは確実です。
今回の記事では、NBAでよく使われるフレーズをピックアップしていきます。
NBAの英語記事、現地レポーターのツイート、試合中のテロップ、実況者がよく言うセリフなど、さまざまな場面から実用的なフレーズを並べてみました。
よく使われる英語フレーズ
英語が詳しい方からすれば、ややイージーな語句が並んでしまっているかもしれませんが、そこは温かく見守ってやってください。
一つでも、新しく知る表現を見つけていただけたら幸いであります。
GOAT
よくNBAの記事やtwitterなどで使われる表現です。
“goat”は本来「ヤギ」という意味を持つ単語ですが、このように大文字で表記されている場合は、
Greatest
Of
All
Time
の頭文字。
なので、NBAで使われる場合は「史上最高の選手」といった意味になります。
ex)MJ is the GOAT!
→ジョーダンが史上最高の選手だ!
昔、レイカーズに所属していたディアンジェロ・ラッセルがこんなツイートをして話題になりました(ツイートは既に削除済み)。
“Honestly Tracy McGrady might have been the GOAT !”
「正直言って、トレイシー・マックレディは史上最高の選手だったかもしれないね!」
このツイートは、2015-16シーズン前、つまりラッセルがNBAデビューする前のものです。
まだまだ若いラッセル君、痛恨のミス。
あなたには、コービー・ブライアントというチームメイトがいたのです。
世間的にはT-MACよりもコービーの方が優れた選手という人がほとんどでしょうし、もうちょっといろいろ考えてからものを言いなさいと言う感じ。
このツイートに、コービーがすかさず反応。
— Kobe Bryant (@kobebryant) 2015年8月15日
コービーさん、眠かった模様。
ここでようやく自分の発言ミスを理解したラッセルが、
“lol my bad he was nice though.”
「僕が悪かったです(笑)。彼はいい選手だったけど、、」
とリプライ。
※ lol は”Laugh out loud(大笑い)”の略になります。日本だと「(笑)」的な意味。
そしてコービーが、
Ha! All luv lil bro lets shock da world this season #history https://t.co/IByKOGwFxn
— Kobe Bryant (@kobebryant) 2015年8月15日
「ハ!気にするな!リトルブラザー!今シーズン、世界に衝撃を与えてやろうぜ!」
※
“luv” = “love”
“lil bro” = “little brother”
“da” = “the”
と大人の対応をして、このやり取りは収束しました。
drought
直訳すると、「干ばつ」という意味。水不足の状態を表す言葉ですね。
一見バスケとは関連のない英単語に思えるんですが、NBAでは、
“shooting drought“という表現で、
シュートがまったく入っていない状況を表します。いわば「シュート不足」ってことですね。
例えば、試合中のテレビ画面で以下のようなテロップが表示されたとすると、
“GSW : shooting drought since 1Q 5:32″
ウォリアーズは1Q目の5分32秒以来、まったくシュートが入っていませんよ~、という意味になります。
EPIC
You Tubeでよく選手の個人ハイライトを観る方は、何度か見たことのある単語だと思います。
“epic”は「叙事詩」という名詞や、「叙事詩のような」という形容詞の意味を持ちます。
そもそも「叙事詩」っていう言葉自体がわかりにくいかもしれないですね。「すごい」とか、「壮大な」という意味だと解釈してください。
例えばyoutubeの動画タイトルで、
“Kobe Bryant vs Lebron James EPIC Duel Highlights”
なんてものがあったら、コービーとレブロンによる「壮大な戦いの」ハイライト動画というようなニュアンス。
※duel = 「決闘、戦い」
What a pass!!
「なんてパスだ!!(いい意味で)」
ノリノリの実況者がよく発するフレーズです。勢いのある言葉なので、なんとなく意味はわかりますよね。
“What a move !“と言ったり、“What a defence ! “と言ったり。
疑問視whatを文頭において感情表現を示す、「感嘆文」というやつです。
学校で習う英語風に言うと、「what + 形容詞 + 名詞」形が通例。
ex)What a spectacular shoot by Stephen Curry !!
→ステフィン・カリーの素晴らしいシュート!!
※“spectacular” = 「素晴らしい」
replace
「交代する」という意味です。
よく一緒に使われる“substitution”は、「交代」という名詞。
例えば、以下の場合。
“James Substitution”で、まずひとくくり。レブロンが交代したことがわかります。
そして、“replaced by Jefferson”
この場合、レブロンがベンチに下がり、ジェファーソンがコートインしたことになります。
three consecutive win
“consecutive“で、「連続した」という形容詞。
なので、“three consecutive wins”は、「3連勝」という意味。
2015-16シーズン、ウォリアーズは開幕24連勝というNBA記録を作りました。
そのため、“Most consecutive game won,start of season(最多開幕連勝)”の記録を更新したことになります。
「まっすぐな、直線の」という意味がある“straight”を使って、
“three straight wins(3連勝)”と表記されることもよくありますね。
no hesitation
“hesitation“で「ためらい、ちゅうちょ」という意味なので、“no hesitation”は逆に「ためらいなく」という意味になります。
例えば、クレイ・トンプソンがゾーンに入って3Pが止まらなくなっているとします。その後のオフェンスでも、クレイが再び迷いなくキャッチ&リリースでシュートを放った時に、実況の人が
“Klay, no hesitation !!”
と叫んだりするのです。
ためらいなくシュートを打った時によく使われます。
あとは、緩急のある動きのことを“hesitation move”と言ったりもしますよね。
ドリブルでこっちにいくとみせかけて、キュッと止まって、クロスオーバー!みたいな、日本語だと若干ニュアンスが変になりますが、これも一種の「ためらい」というわけです。
“ためらいの貴公子”ことカイリー・アービングのhesitation moveを見ておきましょう。
アービングがコートにいるときには、現地解説者が“hesitation”というワードを口にすることが多くなるはず。
competitor
「競争者」という意味。
選手のインタビューでよく使われる言葉です。
当然、競い合うスポーツであるバスケットボール界の中では、様々な場面で頻出します。
競争者として限りなく頂点に近い位置にいたであろうコービー・ブライアントも、インタビューではよく“competitor”という言葉を用いていました。
デュラントのウォリアーズ移籍についてのコービーのコメントがかっこよかったので、引用しておきます。
If you’re a real competitor, you look at that and say, “OK lace ’em up. Let’s go. I don’t care how many players you have over there, we’re still gonna take you down.”
「真の競争者であるなら、現実を見据えてこう言うべきだ。“OK、やってやろうじゃないか。そっちがどれだけの選手を揃えようとも気にしないさ。勝つのは俺たちだ”」
※lace ‘em up = 「やってやるぜ」的な、自分を奮い立たせるようなフレーズ。「‘em」は“them”の省略形です。
移籍に際し、デュラントには様々な批判が飛び交いましたが、“competitor kobe”はやはり視点が違う。
“competitive”で「競争力のある」という形容詞になり、“competitive team”で、「競争力のあるチーム(=強いチーム)」。
soft
「やわらかい」という意味のある“soft”は、プレーの程度を表す言葉としてよく使われます。
もし監督に、“Your defence is soft !“と怒鳴られたなら、あなたのディフェンスには改善の余地があります。
ディフェンスのヤワさを注意されたということです。
逆に、“Nice !! Your defence is very tough !! “と言われたなら、堅固なディフェンスを褒められたということに。
“tough”はそのまま「タフな」と解釈。
「タフ」というのは「キツい」とも同義ですね。
記事に“tough schedule”とか書かれてたなら、そのチームのしんどいスケジュールについての説明がされてるはず。ロード3連戦とかかな。
10 dimes
これで、「10アシスト」を意味します。
普通に“assist”とすればいいのに、シャレてこの表現がされることが多いんです。
元々“dime”には「10セント硬貨」の意味がありますが、なぜこの単語が「アシスト」の意味を持つのか。
調べてみました。
“pay phone(お金を入れるタイプの電話)”に硬貨を入れることを、“dropping a dime“と言います。このとき電話は、人と人とをつないでいる。
つまり、人を助けている(assist)。
ということに由来していると。
諸説あるというやつで、本当かどうかは定かではないです。
使っている現地の人たちも、由来を知らずに言っているみたい。
「勝利」を意味するフレーズ集
試合後の記事やハイライト動画では、タイトルに試合結果を記しているものが多いです。
そのときの「勝利」を表すフレーズは、結構ユニーク。表現は様々です。
「勝つ」と聞いてまずパッと浮かぶのは“win”だと思うんですけど、“win”単体ではあまり使われない印象。
「勝ち」を意味するフレーズをまとめてみます。
defeat
勝利チームを主語にしたときに一番使われる動詞は、この”defeat”かな。
「打ち負かす」などの意味を持っています。
ex) Pacers defeat Pistons 104-100.
beat
「打つ」、「撃退する」などの意味を持つ“beat”。
レイカーズが強かったころは、リーグ内で“Beat LA !!”という合言葉が流行していたものです。懐かしいなあ。
今だったら、「どっちのLA?クリッパーズ?」ってなっちゃいますよね。悲しい。
take down
「倒す」という意味を持つ熟語。
間に対象相手を挟んで、“take you down (お前を倒す)!“というような使われ方もします。
past
「通り過ぎる」というような意味の印象が強いですが、これもよく使われます。
「初戦を通過した」っていう表現をしたりしますもんね。
「楽」というニュアンスの“ease”を組み合わせた“ease past“で「楽勝」という意味に。
edge
「僅差での勝利」を表します。
元々「刃先」とか「端」を意味する単語なので、「相手よりもちょこっとだけ前に出た」みたいなイメージですね。
ex) Heat edge jazz by 1.
→ヒートがジャズに1点差の辛勝。
over
「~を越えて」という意味の“over”で、勝利を表すことができます。
“win over“の熟語で使われることも。
breeze
「そよ風」などの意味がある“breeze”は、「やすやすと」という表現としても使われます。
これによって、試合での「圧勝」を表せるんですね。
ex) Warriors breeze by Pacers, 130-100.
→ウォリア―ズが130-100でペイサーズに圧勝。
upset
「狼狽させる」という意味の単語。
カタカナで「アップセット」と表現されることも多いので、割と馴染みのあるフレーズです。
成績下位チームが優勝候補チームに勝利したときなどに使われます。
ex) Lakers upset Warriors.
top
「頂上」という意味が一般的ですが、試合での勝利の意味も持ちます。
「上、上部」の意味があるので、「相手を上回る」というイメージですね。
ex) Cavaliers top the Nets on the load.
→キャバリアーズが敵地にてネッツを下す。
ケガを表すフレーズ集
ど派手なプレーが生まれる傍ら、NBAではやたらと怪我が多い。
怪我を意味するフレーズには、日本語の意味を連想しにくいものが多い気がします。
試合中に怪我をした選手がロッカールームに下がってしばらくした後、テレビ画面には“injury updates(怪我の最新情報)”というテロップが表示され、その選手の症状が明らかにされることが多いです。
以下のフレーズを一通りインプットしておけば、その時の読解に役立つはず。
sore knee
→ひざ痛
“sore”は「痛い」という意味。“knee”は「ひざ」ですね。
ものすごく深刻な怪我ではなさそう。一安心。
lower back pain
→腰痛
結構聞きなれたフレーズかもですね。
持病として腰痛を持っている選手は大変です。
wrist pain
→手首痛
利き腕の手首が痛めば致命傷。
calf pain
→ふくらはぎ痛
“calf”は「子牛」という意味も持っています。ちょっとややこしい。
hamstring strain
→ハムストリング(膝の裏の筋肉)肉離れ
けっこうよく聞く症状です。
バスケ選手にとって、ハムストリングは相当重要な筋肉。
スクワットが主にハムストリングを鍛えるための筋トレだということを最近知りました。
concussion
→脳震盪
これもよく聞く。
一度脳震盪を起こした選手は、本人が大丈夫だと言っても、メディカルチームの診断をパスしないと試合に出場できない規定になっています。
torn achilles
→アキレス腱断裂
“torn”は「引き裂く、破れる」、“achilles”はそのまま「アキレス腱」。
コービーファンが拒絶反応を起こすフレーズとして知られています。
cramp
→痙攣(けいれん)
疲労がピークに達した足に異変が…!
アキレス腱を断裂したコービーと、足のけいれんを起こしたレブロンの比較がよくなされています。
@kobebryant on a torn Achilles VS @KingJames with a cramp. Kobe Over Lebron case closed #NBA #Lakeshow pic.twitter.com/pKqfAxDSg9
— Laker David (@White_Mamba88) 2018年4月18日
僕はアンチレブロンというわけではありませんが、この比較には確実に悪意がありますね。笑
アキレス腱断裂後に、歩いてロッカールームに戻っていくコービーが異常なだけです。
レブロンほどのスーパースターにとっても、痙攣はツラい。
groin pain
→股の付け根の痛み
ディフェンスのサイドステップが下手で、スピードの速い選手をマークしたときによく痛めた記憶があります。
急に開脚しすぎると、痛くなりますよね。
toe pain
→つま先痛
“toe”は「つま先」の意味。サッカーでは“toe kick”って言ったりしますね。
…
ひとまずここまで!
普段は面倒くささも感じる英語学習も、NBAを介せばまったく苦じゃなくなるという不思議。
随時更新していきます!