サムネイル画像:Photo by Geoff Livingston
2015‐16のシーズン中から去就が注目されていたティム・ダンカンがついに引退を発表。
コービー・ブライアントに続き、またしてもレジェンドが一人コートを去ることになりました。
同じレジェンドでも、コービーとダンカンの去り際はあまりにも対照的に思えます。コービーがシーズン中に引退を発表し、アウェーコートでも大歓声を浴びる”フェアウェルツアー”を経験したのに対し、ダンカンはオフシーズンにひっそりと。
最期までダンカンらしさを貫いた気がします。
コービーとダンカンを偉大たらしめている理由の一つに、キャリアを通して一つのチームでプレーし続けたところがある思うんです。長年のNBAファンからすれば、「レイカーズ=コービー」だし、「スパーズ=ダンカン」だと思う。
デビューからずっと同じチームでプレーしていたウェイドもデュラントも今オフに移籍してしまい、生涯一つのチームでプレーすることの貴重さが際立ってきたように思えます。
初期から引退までの圧倒的安定感
大学時代から注目され、1997年のドラフト1位でスパーズに入団したダンカン。当時NBAのベストセンターの一人とされていたデビット・ロビンソンとツインタワーを結成しました。
新人王を獲得し、1年目の選手ながら異例のオールNBAファーストチーム入り。スタッツは21.1得点、11.9リバウンド、2.7アシスト、2.5ブロック。
一流のインサイドプレイヤーでも、キャリアで一度達成できるかどうかくらいの凄いスタッツです。
初のプレーオフでも活躍をみせますが、なんと、ダンカンがスパーズに入団して以来、チームは一度もプレーオフ進出を逃したことがありません。
正確には、ダンカン自身は怪我のため99-00シーズンのプレーオフのみ出場していませんが、これは本当にすごいことだと思う。
ジョーダンもコービーもレブロンも、キャリアの中でプレーオフ進出を逃しているシーズンがあります。
あと、ダンカン&スパーズの、黄金期がいつなのか決められないのも凄さの一つだと思います。ダンカンは1999年、2003年、2005年、2007年、2014年に優勝を経験。
つまり1990年代、2000年代、2010年代にそれぞれチャンピオンになっているってことですね。
まさに、定期的に優勝しているって感じ。
ジョーダンのブルズにしろ、コービーのレイカーズにしろ、必ず強豪チームには「黄金期」と呼ばれるものが存在していると思います。
でも、スパーズの黄金期っていつなのかわからない。
もし単純に優勝した時期のことを黄金期と呼ぶのなら、ダンカンが引退するまでにスパーズの黄金期は何回あったんだよ、っていう話になります。
シーズン開幕前には全然騒がれないのに、開幕してみれば勝ち星を重ねてカンファレンス高順位でレギュラーシーズンを終え、プレーオフでも着実に勝ち進むスパーズ。およそ20年間にわたり常勝軍団であり続けました。
そして、きっとこれからもスパーズは強豪であり続けると思います。ダンカンの5回の優勝のうち、FINAL MVPの受賞は最初の3回。
4回目の優勝時にはトニー・パーカーが、5回目にはカワイ・レナードがそれぞれMVPを受賞しています。すごくわかりやすく、世代交代に成功していると思います。
ダンカンがデビット・ロビンソンから渡されたタスキは、確実に今のスパーズのメンバーが受け継いでいるはず。
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最後まで、ダンカンらしく
コービーが引退を発表したときは、体に電撃が走るような感覚を覚えましたが、ダンカン引退については、感じるものの種類がかなり違う。コービーのほうが好きな選手だから、とかいうのは別として。
きっと、来シーズンが始まってから、「ああ、ダンカンはもういないんだったな…」としみじみと感じるんだと思う。
自分がNBAを始めた時から活躍していた選手が引退してしまうのはやはり切ないものですね。英語がわからない小学生のときに、ダンカンのニックネームである”ミスター・ファンダメンタル”というフレーズを聞いて、「かっこいい!!」と思ったけど意味を調べてみたら”基本男”だったからガックシきたのも懐かしいです。
ダンカン、19年間お疲れ様!